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(n) cupellation =========================== ・ 灰 : [はい] 【名詞】 1. ash ・ 灰吹法 : [はいふきほう] (n) cupellation ・ 法 : [ほう] 1. (n,n-suf) Act (law: the X Act)
灰吹法(はいふきほう)は、金や銀を鉱石などからいったん鉛に溶け込ませ、さらにそこから金や銀を抽出する方法。金銀を鉛ではなく水銀に溶け込ませるアマルガム法と並んで古来から行われてきた技術で、旧約聖書にも記述がある。 == 概要 == 貴金属の鉱石は単体の金属や合金、硫化物などの状態の鉱物として産するが、もともと反応性の低い元素であるため、硫化物などの化合物であっても加熱によって容易に還元され、金属となる。そのため金や銀の鉱石を融解した鉛に投じると、もともと金属状態であったり、加熱によって還元されて金属になった金や銀は容易に鉛に溶け込んで合金を生じる。この金銀が溶け込んだ鉛をキューペル(骨灰やポルトランドセメント、酸化マグネシウムの粉末などで作った皿のこと)にのせて空気を通しながら約800-850℃に加熱すると、鉛は空気中の酸素と反応して酸化鉛になり、キューペルに吸収され、金と銀の合金が粒状になってキューペルの上に残る。液体の金属は表面張力が大きいため多孔質のキューペルの上でも液滴の形状を保つが、融解した酸化鉛は表面張力が小さく、毛管現象でもってキューペルに吸い込まれてしまうからである。また銅、鉄、亜鉛といった卑金属の不純物は酸化して酸化鉛と混合し、スラグになるので、量が多い場合にはこれをかき出す。残った貴金属粒子は吹金(灰吹金)あるいは灰吹銀と呼ばれた。金を含有する灰吹銀は山吹銀と称し金銀吹分けが行われた。 残った貴金属合金粒子から金と銀を分離するには、硝酸で銀を溶解するか、電解を行えばよい。江戸時代の日本では金を含有する灰吹銀に鉛および硫黄を加えて硫化銀を分離し、金を残すという手法が採られた〔小葉田淳 『日本鉱山史の研究』 岩波書店、1968年〕。この方法は鉱石中の金や銀の定量分析にも利用される〔吾妻潔/著「灰吹法」『世界大百科事典24』より(平凡社、1972年)〕。江戸時代の銀座においても、製造された丁銀の品位を分析する糺吹きにおいて灰吹法が用いられた〔田谷博吉 『近世銀座の研究』 吉川弘文館、1963年〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「灰吹法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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