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為兼卿和歌抄(ためかねきょうわかしょう)は、弘安8年(1285年)から弘安10年(1287年)の間に執筆されたと考えられる、京極為兼著の歌論書である。 ==概要== 為兼卿和歌抄は革新的な歌風で知られる中世和歌の一流派、京極派の創始者であり指導者である京極為兼唯一の歌論書である〔井上(2006)p.45、pp.255-256〕。建長6年(1254年)生まれの京極為兼は執筆当時まだ30代になったばかりであり、和歌の実力は十分ではなく、歌人としてまだまだ未完成の時期であった〔小川(2009)p.1〕。為兼卿和歌抄の中で京極為兼は多岐にわたる論議を展開していくが、論旨は「心ののままに言葉がにほひゆく」という言葉に代表される「心の絶対的な尊重」と、当時の伝統的な和歌の、「ことばにて心をよまむとする」姿勢を否定し「言葉の完全な自由化」を一貫して唱えたものである〔岩佐(1995)pp.259-272〕。 為兼はその後和歌の修練を積み重ね、真に実力ある歌人となっていくが、為兼卿和歌抄はまだ歌人としての実力が伴わない時期に執筆されたという点で特異な歌論書であり、またその論旨に添った形で京極派の和歌が発展していったことから、京極派の和歌の研究家である岩佐美代子は、「稀に見る幸福な歌論書、驚くばかりの的確な予言書」としている〔岩佐(1995)p.275、小川(2009)pp.1-2〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「為兼卿和歌抄」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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