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烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう、''Ucchuṣma'')は、密教における明王の一尊である。「烏芻沙摩」「烏瑟娑摩」「烏枢沙摩」とも表記される。真言宗・天台宗・禅宗・日蓮宗などの諸宗派で信仰される。台密では五大明王の一尊である。日蓮宗では「烏芻沙摩明王」の表記を用い、火神・厠の神として信仰される〔 *王地山本経寺(兵庫県篠山市河原町)webページ *神明山立正寺(神奈川県横浜市西区浅間町)webページ *了光山護国寺(京都市山科区)住職のブログ 〕。 == 概説 == 『大威力烏枢瑟摩明王経』などの密教経典(金剛乗経典)に説かれる。 人間界と仏の世界を隔てる天界の「火生三昧」(かしょうざんまい)と呼ばれる炎の世界に住し、人間界の煩悩が仏の世界へ波及しないよう聖なる炎によって煩悩や欲望を焼き尽くす反面、仏の教えを素直に信じない民衆を何としても救わんとする慈悲の怒りを以て人々を目覚めさせようとする明王の一尊であり、天台宗に伝承される密教(台密)においては、明王の中でも特に中心的役割を果たす五大明王の一尊に数えられる〔この点においては、村岡空による、次のような指摘がある。”不空訳『仁王護国般若波羅蜜多経陀羅尼念誦儀軌』全一巻(大正蔵一九・五一四上)によりますと、「第一東方金剛手菩薩は威怒降三世金剛、第二南方金剛宝菩薩は威怒甘露軍荼利金剛、第三西方金剛利菩薩は威怒六足金剛、第四北方金剛夜叉菩薩は威怒淨身金剛、第五中方金剛波羅蜜多菩薩は威怒不動金剛になっています。" "金剛夜叉は『摂無礙経』(不空訳・大正蔵二〇・一三〇上)によりますと、「金剛夜叉は不空成就仏の忿怒。自性輪は即ち牙、是は寂静身。又、穢積金剛を不空成就の忿怒と為し、自性輪は金剛業也。穢積は即ち烏芻渋摩菩薩也。」とあります。 簡単に言いますと、自性輪身は不空成就仏、すなわち釈迦如来、正法輪身は金剛牙菩薩、すなわち摧一切魔怨菩薩。教令輪身は金剛薬叉(夜叉)明王。ですから、前述の『仁王軌』で教令輪身を威怒浄身金剛と記すのは明らかに誤りです。これは不空成就仏が自性輪身、金剛業菩薩(虚空庫菩薩)が正法輪身、穢積金剛(烏芻渋摩菩薩)が教令輪身としなければなりません。けれども、この点、天台密教ではどういうわけか、当の明白な誤りを認めずに、五大明王を指す場合、金剛夜叉明王の代わりに烏芻渋摩明王をおいています。”『不動尊』集英社,1987,p.74/p.77〕。 烏枢沙摩明王は古代インド神話において元の名を「ウッチュシュマ」、或いは「アグニ」と呼ばれた炎の神であり、「この世の一切の汚れを焼き尽くす」功徳を持ち、仏教に包括された後も「烈火で不浄を清浄と化す」神力を持つことから、心の浄化はもとより日々の生活のあらゆる現実的な不浄を清める功徳があるとする、幅広い解釈によってあらゆる層の人々に信仰されてきた火の仏である。意訳から「不浄潔金剛」や「火頭金剛」とも呼ばれた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「烏枢沙摩明王」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ucchusma 」があります。 スポンサード リンク
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