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無停電電源装置(むていでんでんげんそうち)とは、入力電源が断になった場合も、一定時間、接続されている機器に対して、停電することなく電力を供給し続ける電源装置である。 日本では一般に、商用交流電源に接続して使用する、交流入力・交流出力のものをUPS (''Uninterruptible Power Supply'') と呼ぶことが多いが、本来は入出力の種類に関係なく、入力断に対して出力が断(off)にならない電源装置の全てを示す。このため日本では、交流出力の無停電電源装置と直流出力の無停電電源装置を区別するため、交流出力のものをCVCF(''Constant Voltage Constant Frequency''、定電圧定周波数)電源と呼ぶこともある。以下、交流入出力のものを中心として述べる。 == 概要 == 無停電電源装置は、主に、商用電源から電力を受ける装置、電力を蓄積する装置と、前2者のいずれかから一定規格の電力(一般的には、商用電源と同様のもの)を供給する装置で構成される。接続している商用電源が断になったときは、機器に蓄積していた電力を供給し、瞬時電圧低下や停電が機器に対して起こらないようにしている。なお、特に瞬時電圧低下といえば今日、雷によるものが多く、雷サージ対策として用いられることが多いが、無停電電源装置自身は概ねサージ防護機器ではなく、雷サージを受けると故障するので、別途、サージ防護機器と併せて使用する必要がある。 対応できる停電時間は、数分 - 30分程度のものが多い。無停電電源装置の能力を超える長時間の停電に対しては、別途、発電機などと組み合わせるか、停電後、無停電電源装置から電力の供給が続いている間に、コンピュータなどの需要機器の使用を終了させるといった措置が必要である。 停電時の補助電源として二次電池や電気二重層キャパシタなど(以下、単に「二次電池」と表す。)電池を使用するものを静止型無停電電源装置といい、フライホイールを用いたものは回転型無停電電源装置という〔松崎薫『無停電電源システム実務読本』2007年 オーム社 第2章〕。小規模電源用には古くから真空管を用いた静止型無停電電源装置が実用に供されていたが、真空管では大電流を得ることが困難であるため、大規模電源用には過去、回転型無停電電源装置が実用に供されていた。その後、半導体デバイスの進歩に伴って静止型無停電電源装置でも大電流を得ることが可能になり、今日では大規模電源用にも静止型無停電電源装置が一般的となっている。 今日の無停電電源装置には、データセンターなどで使用される大型・集中型のものと、パーソナルコンピュータや医療用モニタなどに用いられる小型・分散型のものがある。いずれにしても無停電電源装置には高い信頼性が要求されることから、概ね、専門家による定期予防保守により長期継続使用をするものと、規定期間の使用、いわゆる「使い切り」にしたものの二つに分かれる。無停電電源装置の価格は、規模・保守性などの要素によって決まるが、一般に大型・集中型になるほど高価になる傾向がある。 信頼性確保の手段には、故障や保守点検時も正常に給電するためのインバータや二次電池の冗長設置、インバータの機能が完全に失われたときに、商用電源に無瞬断で切り替えることが可能なバイパス機能などがある。しかし使用部品数の増加は故障率を上げる原因となるため、できるだけ少ない部品数で必要な信頼性を確保する配慮がなされる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「無停電電源装置」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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