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無残絵(むざんえ)は、江戸時代末期から明治時代にかけて描かれた浮世絵の様式のひとつである。「英名二十八衆句」「東錦浮世稿談」「魁題百撰相」の3つが代表的作例。その多くは、芝居の中の殺しの現場などをテーマとしており、画中に血液、血痕などを殊更に色鮮やかに描いているため、「血みどろ絵」、「残酷絵」、また「無惨絵」とも表記される。 == 歴史と作例 == === 英名二十八衆句 === 無残絵は、幕末から明治初年にかけて、当該時期における不穏な時代世相を背景に制作された。作品数は多くないが、何れも歌川国芳門下の落合芳幾と、その弟弟子の月岡芳年によって制作されている。最も刊行の早い作品は、慶応2年(1866年)から慶応3年(1867年)に版行された「英名二十八衆句」であり、これは全28枚の揃物で、芳幾、芳年が各14枚ずつ担当した競作である。この作品は国芳による「鏗鏘手練鍛の名刃(さえたてのうちきたえのわざもの)」に描かれた芝居小屋の中の血みどろを参考にしており、これに触発されて制作された。当時はこのような見世物が流行っていたのであった。多くの主題を、例えば「東海道四谷怪談」(「直助権兵衛」)や、「夏祭浪花鑑」(「団七九郎兵衛」)などの幕末の芝居に取材しているが、それにもかかわらず奇妙なリアリティを漂わせているのが特徴である。人物の相貌や人体表現は国芳以来の武者絵の型に則っているが、凶器の包丁に刻まれた銘や、光沢を見せヌメヌメとした質感すら感じさせる血、あるいは血液の執拗な描写が極めて印象的である。取分け、芳年は血のりの感じを出すために絵の具に膠(獣類の皮、骨、腸などを煮出した液を冷まして固めたもの)を使用している。全ての作品が血がしたたる凄惨なもので、後の彼の発病を予感させる錦絵である。この血みどろな残酷シーンは、後の戊辰戦争、上野戦争の直後、弟子の旭斎年景を連れて彰義隊の死体を実見して描いたといわれる「魁題百撰相」に表現された死のエクスタシーへと結実していく。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「無残絵」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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