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無賃入場者のパラドックス(むちんにゅうじょうしゃのパラドックス、英:''Paradox of the Gatecrasher'')とは、イギリスの哲学者コーエンが考え出した思考実験である。裁判において、客観的なはずの確率的証明を用いることが直観的に奇妙な結論をもたらしうるということを暗示している〔『民事事実認定』p.209.〕。 == モデル == === 事案 === あるコンサートに1000人の観客Y1、…、Y1000が来場した。このうち200人は1枚1000円のチケットを購入して入場したが、残りの800人は主催者の許可を取らずに裏口から無賃で入場した。後日、主催者Aは、1000人の観客全員を相手取って入場料支払を求める訴訟を起こした。そこで、以下のような判決が下された。 *前提1:被告Y1、…、Y1000が当日コンサートに参加していたことは証明済みである。 *前提2:Y1、…、Y1000のうち、800人が無賃入場者だったことは証明済みである。 *前提3:Y1、…、Y1000のうち、誰が正規入場者で誰が無賃入場者かは不明である。 *前提4:この国の法律によれば、有料のコンサートに無賃入場した者は後から入場料を払わなければならない。 *前提5:この国の法実務によれば、裁判官は、被告が80%以上の証明度で疑わしい(この場合は、被告が無賃入場者であること)と判断する場合には、有責判決を下さねばならない。 *前提6:これ以外の証拠は原告Aから全く提出されていない。 *判決:被告Y1、…、Y1000はそれぞれ80%の確率で疑わしい。よって原告Aに入場料を支払うものとする。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「無賃入場者のパラドックス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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