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ヒートアイランド(英語:urban heat island:UHI)とは、都市部の気温がその周辺の郊外部に比べて高温を示す現象。住民の健康や生活、自然環境への影響、例えば夏季は熱中症の増加や不快さの増大、冬季は感染症を媒介する生物の越冬が可能になることなどが挙げられ、問題視されている。都市化が進むほど、ヒートアイランドも強まり、高温の長時間化や高温域の拡大が起こる〔気象庁 「ヒートアイランド現象に関する知識」 Q1:ヒートアイランド現象とはどのようなものですか?〕。ただ巨大都市に限ったものではなく、人口数千人から数万人と規模の小さな都市でも小規模ながら発生する。また、各都市の地勢や気候によっては、風下の郊外部にも高温化が波及することがある〔環境省、2001年、§2(3-14頁)〕〔。 == ヒートアイランドの進行と研究 == 「ヒートアイランド」という語は英語からきており、直訳すると「熱の島」であるが、これは気温分布を描いたとき、等温線が都市を中心にして閉じ、ちょうど都市部が周辺から浮いた島のように見えることに由来する〔。日本語に訳す場合は都市温暖化または都市高温化とされる。 都市は、郊外に比べて高温・乾燥で独特の風系を有する傾向にある。こうした都市特有の気候を気候学においては都市気候と呼び、これを研究する都市気候学や都市環境学などの学術分野がある。それらの中でも、ヒートアイランドは主要なテーマとされる現象の1つである。 「都市の気温が郊外に比べて上昇している」ことが初めて発見されたのは、1850年代のロンドンとされている。イギリスの科学者・気象研究者であったリューク・ハワード(Luke Howard)は、当時産業革命により著しく発達していたロンドンの気温が、周辺地域よりも高くなってきていることを発見した。これ以降、欧米を中心に世界各地の大都市で気温上昇が観測されるようになり、やがて"Urban Heat Island"と呼ばれるようになった〔日本学術会議 社会環境工学研究連絡委員会 ヒートアイランド現象専門委員会「」、2003年7月15日〕〔足永靖信「」、独立行政法人建築研究所、2006年7月13日〕。 日本では、初期の研究として福井・和田(1941)による東京市(当時)郊外と都心の観測報告があり、現在の練馬区にあたる郊外と都心とで5℃の気温差があったという。その後1950年代から1960年代にかけて、気温分布など都市特有の気候を研究する論文がいくつか発表されている〔三上岳彦 「都市ヒートアイランド研究の最新動向―東京の事例を中心に―」、『E-journal GEO』1巻2号、79-88頁、2006年 〕〔三上岳彦、大和広明、広域METROS研究会 「広域 METROS による首都圏の高密度気温観測とその事例解析」、『地学雑誌』120号、317-324頁、2011年 〕。ただし、ヒートアイランドという言葉が一般に知られるようになったのは、大きく報道された1970年代からである〔〔。 ヒートアイランドは現在世界中の都市で観測されており〔〔、日本でも最大規模のヒートアイランドが起こっている東京をはじめとして、その深刻化が問題となっている。特に、今後はアジアの都市での深刻化が懸念されている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヒートアイランド」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Urban heat island 」があります。 スポンサード リンク
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