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熱水噴出孔(ねっすいふんしゅつこう、)は地熱で熱せられた水が噴出する割れ目である。数百度の熱水は、重金属や硫化水素を豊富に含む。熱水噴出孔がよく見られる場所は、火山活動が活発なところ、発散的プレート境界、海盆、ホットスポットである。 熱水噴出孔は地球上ではふんだんにみられるが、その理由は地質学的活動が活発であることと、表面に水が大量にあることである。陸上にある熱水噴出孔には温泉・噴気孔・間欠泉があるが、これらについては各項目を参照するとして、ここではおもに深海熱水噴出孔について述べる。 深海によく見られる熱水噴出孔周辺は、生物活動が活発であり、噴出する液体中に溶解した各種の化学物質を目当てにした複雑な生物社会が成立している。有機物合成をする細菌や古細菌が食物連鎖の最底辺を支え、そのほかにジャイアントチューブワーム・二枚貝・エビなどがみられる。 地球外では木星の衛星エウロパでも熱水噴出孔の活動が活発であるとみられているほか、過去には火星面にも存在したと考えられている〔http://www.space.com/missionlaunches/missions/mars_society_conference_010515-1.html〕。 == 熱水噴出孔の海中探査 == 1949年に紅海中部の海底を調査したところ特異な熱水床の存在が報告された。1960年代になると60°Cの塩類を含む水とこれに関係する金属を含む泥の存在が確認された。熱い水溶液は活発な海底下のリフトから噴出していた。塩分濃度が高すぎて生物の生息は無理な環境であった〔Degens, Egon T. (ed.), 1969, ''Hot Brines and Recent Heavy Metal Deposits in the Red Sea,'' 600 pp, Springer-Verlag〕。この塩水と泥が貴金属や卑金属の供給源でありうるか現在調査中である。 海中の熱水噴出孔の一種であるブラックスモーカーは東太平洋海嶺の支脈にあたるガラパゴスリフトのある海域で、海水温を調査中の海洋地質学者のグループが1976年に発見した。計測温度とその他の証拠から、地質学者はこの発見は熱水噴出孔からの噴出水であると結論付けるに十分な情報を得た。1977年、リフトに戻った地質学者はウッズホール海洋研究所の潜水艇アルビン号を使って数々の熱水噴出孔を目視確認した。同年、Peter Lonsdaleは熱水噴出孔に関する初の論文を発表した。 2005年にはある鉱物資源調査会社が、ケルマディック島弧で3万5,000km2の調査を許可され、熱水噴出孔により形成された鉛・亜鉛・銅の硫化物の新しい鉱床たりうる海底硫黄鉱床を探査した。2007年4月には中米コスタリカ沖合の太平洋における新しい熱水噴出孔海域(ギリシア神話の怪物 メドゥーサ にちなんで命名された)の発見が発表された。 2010年4月6日、イギリス国立海洋学センターの研究チームが、カリブ海ケイマン諸島沖合のケイマン海溝で、世界で最も深い場所に位置する熱水噴出孔を発見した。それまで確認されていた通常の熱水噴出孔の約2倍、最も深いとされたブラックスモーカーよりもさらに800m深い水深5,000mの海底にある。海洋探検家ウィリアム・ビービ(:en:William Beebe)にちなんで「ビービ(ビーブ噴出孔フィールド)」と名付けられたこの熱水噴出孔は、鉄と銅の鉱石で形成されたチムニーを持つブラックスモーカーのひとつである。水温は摂氏400度と推定され、周辺では目を持たず代わりに背中に光受容体を持つ新種のエビ類や白い触手を持つ新種のイソギンチャク類など発見が相次いでいる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「熱水噴出孔」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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