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熱量食(ねつりょうしょく)は、日本軍が戦闘時の食糧として用いた携帯栄養補助食の一つである。開発は陸軍糧秣廠が行い〔『戦場の衣食住』153、154頁〕、制定は1931年(昭和6年)である〔『戦場の衣食住』167頁〕。軍制式品の他、民間製造品などいくつかの種類が存在する。制式としての熱量食は1938年(昭和13年)から1939年(昭和14年)に軍粮精(キャラメル)に改変された〔『戦場の衣食住』23、167頁〕。熱量食は補助的な食品であり、一例では1933年(昭和8年)の輸送計画中、関東軍に届けられる食糧弾薬のうち、熱量食616貫が甘味品として分類されている〔『軍需品船舶輸送の件』4画像目〕。 == 原料とコスト == 熱量食は粉乳、酵母、ブドウ糖を主成分とする高カロリーの携帯食である。形状、個数は製品によりさまざまであるが、一例ではカロリーメイト様の長方体をしたブロック状の2本を一食分として防水紙に包装し、紙箱に収めている〔『日本帝国陸軍』79頁〕。激戦地の部隊へ増加食として配給された。また車輌部隊や騎兵部隊で使用され、山岳戦では歩兵部隊に重宝された。これは補給に際し、航空機からの空中投下が容易なためだった。 1933年(昭和8年)、イタリア大使館付武官から日本陸軍に対して熱量食に対する問合せがあり、日本陸軍では簡単な熱量食の成分と製法について回答している。説明内容は以下の通りである〔『伊国武官より「カロリー」糧食に関し問合の件』3、4画像目〕。 原料 * ブドウ糖、バター、白砂糖、スターチ、イースト、パウダー、ミルク、レシチン、緑茶など 熱量食には夏季用と冬季用の2種類が存在した。夏季用は冬季用よりもバターとイーストの量を減らし、コロイド成分を加えた。熱量は50gで約250カロリー(大カロリー。現在の250キロカロリー)である。コストは1個50gで約10銭であった。製造方法は原料を水と混合、煮詰めて冷却する。これを平面ローラーで成形し、切断して包装する。保存期限は夏季用で約一年、冬季用で4ヶ月である。保存は冷所で行った。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「熱量食」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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