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片親引き離し症候群(かたおやひきはなししょうこうぐん、英:Parental Alienation Syndrome、略称PAS)とは、1980年代初めにリチャード・A・ガードナーによって提唱された用語で、両親の離婚や別居などの原因により、子供を監護している方の親(監護親)が、もう一方の親(非監護親)に対する誹謗や中傷、悪口などマイナスなイメージを子供に吹き込むことでマインドコントロールや洗脳を行い、子供を他方の親から引き離すようし向け、結果として正当な理由もなく片親に会えなくさせている状況を指す。「洗脳虐待」と訳されることもある。また子供を引き取った親に新しい交際相手ができた場合に、子供に対してその交際相手を「お父さんorお母さん」と呼ぶようにしつけ、実父・実母の存在を子供の記憶から消し去ろうとするのもこれに当たるといわれる。 PASは、医学界や法学界では「疾患」であるとは認定されておらず、ガードナーの理論や関連研究は、法学者や精神科医から広く批判されている〔。 片親引き離し症候群は、2010年に発表されたアメリカ精神科医師会による『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版(''DSM-5'')の草案には記載されていないが、ワーキング・グループによる「他の情報源が提案する疾患」には記載されている〔PAS 〕。それによれば、片親引き離し症候群とは「同居親の行動によって非同居親と子供との関係が不当に破壊される状態」である。 == 概要 == PASの影響として、子供の精神面や身体面に様々な悪弊が出たり、生育に悪影響のあることが、欧米を中心に児童心理学者をはじめ法律関係者などにも広く認識され、連れ去り・引き離し自体が最も悪質な児童虐待であると同時に配偶者に対しての極めて悪質な情緒的虐待であると捉えられているが〔Parental Kidnapping: A New Form of Child Abuse 〕〔Parental Child Abduction is Child Abuse 〕〔Parental Kidnapping: Prevention and Remedies Hoff著、アメリカ弁護士協会、2000年〕〔米国政府文書 〕〔The Crime of Family Abduction 米国法務省の文書〕、日本では専門家の間でも充分に認識されているとは言いがたい。ガードナーは、PASは子供に様々な情緒的問題、対人関係上の問題などを生じさせ、長期間にわたって悪影響を及ぼすと主張、引き離しを企てている親の行為は子供に対する精神的虐待であると指摘している。離婚や別居で一方の親が子供から離れると、子供は「同居親から捨てられる」不安と恐怖を強く抱いて徐々に同居親の心理に同調するようになる事が解明されており、それによって同居親が非同居親を憎み嫌う心理が子供に影響すると考えられている。すなわち、「同居親から見捨てられない」ために本能的に「同居親を守ろう、喜ばせよう」という思考が働き、同居親の心理に同調して自ら非同居親の存在を否定するようになっていくのである。その結果子供は精神的に同居親に従属する存在となり、自我の喪失・混乱などの情緒的問題を生じていくのである。こうした事を防ぐためにも、非同居親との頻繁で有意義かつ継続的な交流は重要であるとされている。 PASの法的証拠としての有効性は、専門家委員会のレビューや、イギリスのイングランド・ウェールズ控訴院によって否定されており、カナダ法務省はPASを用いないように推奨しているが、米国の家庭裁判所での論争においては用いられた例がある。ガードナーは、PASは法曹界に受け入れられており、多くの判例もあるとしているが、実際の事件を法的に分析した結果、この主張は正しくないことが示されている。 PASを医学的に「症候群」や「疾患」であると認定している専門職団体はない。アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版(''DSM-5'')の草案には記載されていない。 連れ去りが、子供にしばしば引き起こす精神的障害は、分離不安、ADHD、PTSD、摂食障害、学習障害、行動障害などである〔Parental Child Abductions Victims of Violence - カナダ政府が出資している機関〕。これらの精神的障害は、DSMに記載されている。自然災害もPTSDを起こすことがあるが、自然災害は「疾患」ではない。同様に、連れ去り自体は「疾患」ではない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「片親引き離し症候群」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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