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『物くさ太郎』(ものくさたろう)は、日本の昔話、民話。『御伽草子』渋川版の一編。「物臭太郎」、「ものぐさ太郎」などとも表記されることがある。作者は未詳だが、成立は室町期と考えられている。 == 内容 == 信濃国筑摩郡あたらしの郷(現松本市新村に比定)に働かず寝てばかりの男がいた。村人からは「物くさ太郎」と呼ばれ、現地の地頭左衛門尉信頼も呆れるほどの怠けぶりであった。あるとき朝廷から、信濃守二条大納言有季への長夫(邸宅に住み込んで奉公すること)のお召しが下ったが、村人たちは皆嫌がって、物くさ太郎をおだて上げてその役を務めさせることに成功した。 上洛した太郎はまるで人が変わったように働き者になったが、なかなか嫁が見つからない。そこで、人の勧めで清水寺の門前にて「辻取」(路上で女を連れ去って妻妾とすること)を行う。たまたま通りかかった貴族の女房(女官のこと)を見初め、妻に取ろうとするが女房は嫌がり太郎に謎かけをして逃げ去ってしまう。ところが太郎は謎かけを簡単に解いて、女房の奉公先である豊前守の邸へ押しかける。そこでは女房と恋歌の掛け合いをするが機知に富んだ太郎が女房を破り、ついに二人は結婚する。垢にまみれた物くさ太郎を風呂に入れてやると見まごうばかりの美丈夫に変貌する。噂を聞きつけた帝と面会すると太郎が深草帝の後裔であることが明らかになり、信濃の中将に任ぜられ故郷に下向した太郎は子孫繁栄し、120歳の長寿を全うした。 死後、太郎は「おたがの大明神」(穂高明神あるいは松本の多賀明神と思われる)、女房は「あさいの権現」として祭られ人々に篤く崇敬された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「物くさ太郎」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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