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圓(えん、げん、ウォン、ドル、パタカ、トゥグルク)は、東アジアの各国において使用されている通貨の単位である。なお「圓」は元来、「まる」を意味する文字で、日本における「円」の旧字体である。現在では各国において通貨単位は「円」、「」、「元」、「」の文字が使用され、現在でも貨幣面に「圓」を用いているのは繁体字を標準字体とする台湾、香港および澳門である。 「圓」の文字は中華人民共和国では「」(Yuan)と簡略化されるようになった。韓国のウォン(ハングル:、ローマ字:Won)は過去には漢字で「圓」と書いたが、一時期に「圜」(ファン、ハングル:、ローマ字:Hwan)に変えた。その後ウォンに回帰したものの、現在は公式的に漢字の「圓」を廃棄してハングル・漢字交じり文にもハングルで書く。台湾ドル、香港ドルおよびマカオ・パタカは現在でも「圓」の文字が使用されている。 == メキシコドルの流入 == 中国においては古来から銅銭が通貨として広く用いられてきたが、経済の拡大、あるいは産銅不足から銅銭のみによる取引に限界が生ずるようになった。宋・元以後には紙幣や銀(銀地金や銀製品)が通貨の代わりに用いられるようになり、明・清においても銅銭は引続き併行流通したものの、銀錠と呼ばれる秤量貨幣が通貨の主導的な地位を占めるようになった。 18世紀になると絹織物や茶の代価として、スペインおよびその植民地であったメキシコから多量のメキシコドルなどの大型銀貨が流入するようになり、「銀圓」と呼ばれて中国国内でも広く流通した。銀圓は従来の銀錠に対し、メキシコドルが円形の銀貨であったことに由来する〔刀祢館正久 『円の百年―日本経済側面史』 朝日選書、1986年〕。メキシコは漢字で「墨西哥」と表記され、メキシコドルは「墨銀」とも呼ばれた。また当初は南蛮から流入したことを意味する「番銀/蕃銀」や、デザインおよび英(イン)と同じ発音である「鷹」から「鷹洋」の呼称もあった。 日本においてもアメリカ合衆国の開港要求に応じた結果、1859年7月から、日本国内外の金銀比価の違いにより小判が多量に流出すると云う通貨問題が生じ、代わりに多量のメキシコドルが流入した。 ヘラクレスの柱を描いたピラードルとも呼ばれるスペインドルはスペイン王カルロス1世の命により1535年に鋳造が始まり、1821年にはメキシコが独立し、1823年からは鷲を描いたメキシコドルが発行された。特にメキシコドルは1903年までに総鋳造量が約35億5000ドルに達し、世界の流通市場を圧倒した〔三上隆三 『江戸の貨幣物語』 東洋経済新報社、1996年〕。メキシコドルは量目27.07グラム、品位90.3%であり〔Chester L. Krause and Clofford Mishler, Colin R. Brucell, ''Standard catalog of WORLD COINS'', Krause publications, 1989.〕、スペインドルもほぼ同様であった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「圓」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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