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歩兵第170連隊(ほへいだい170れんたい、''歩兵第百七十聯隊'')は、大日本帝国陸軍の歩兵連隊のひとつ。太平洋戦争中の1942年(昭和17年)、乗船中の輸送船が撃沈された際に軍旗を喪失し、その後の戦闘で大打撃を受けると解隊された。 == 沿革 == 1938年(昭和13年)6月に、新設の第104師団に属する4つの歩兵連隊の一つとして編成された。当時継続中だった日中戦争にすぐさま投入され、同年10月の広東作戦では大亜湾(バイアス湾)への上陸作戦に参加した。 1941年(昭和16年)1月に、師団編合を離れて独立部隊として印度支那派遣軍に移り、前年より日本軍が駐屯していた仏領インドシナ北部の守備隊となった。同年6月、新設の独立混成第21旅団の基幹部隊となり、同年7月の南部仏印進駐にも参加した。 太平洋戦争の勃発後も仏印の守備についていたが、連合国軍の反攻が始まると、独混第21旅団は太平洋島嶼の防備強化に転用されることになった。1942年(昭和17年)9月に、独混第21旅団主力(連隊主力含む)はグアム、歩兵第170連隊第2大隊はウェーク島への派遣が下令された。ウェーク島派遣の第2大隊は、同年10月に目的地へ到着し、海軍第65警備隊の指揮下に入った。 連隊主力を含む独混第21旅団主力は、オーストラリア軍の反攻が活発化したために東部ニューギニア戦線の増援として送られることになり、グアムからパラオを経由して前進拠点のラバウルへと海上輸送されることになった。しかし、護送船団を組んで航行中の1942年11月16日、パラオ港外で、連隊主力の乗船する輸送船「ぼすとん丸」(5477トン)は、アメリカ潜水艦「シール」の雷撃で撃沈されてしまった。この攻撃で乗船将兵の1/3にあたる228名が戦死したほか、軍旗も行方不明となった。連隊長以下の残存将兵は僚艦に救助されてラバウルに到着したが、連隊長は軍旗喪失に責任を感じ駆逐艦「追風」内で割腹未遂事件を起こし、精神を患って戦線離脱することになった〔神山参ニ『あゝ兵庫兵団』のじぎく文庫、1969年、p.35-38。〕 。 連隊主力を含む独混第21旅団主力は、同年11月29日・12月2日・同月8日と3回に渡って、ラバウルから東部ニューギニアのブナやバサブアへと鼠輸送により前進しようとしたが、空襲によって妨害されて消耗した。山県栗花生旅団長に率いられた1千名以下が上陸できてブナ救援作戦やギルワ防衛戦を行ったが、翌1943年1月18日に撤退命令が出され、連隊の生存者は舟艇でギルワを脱出した。 1943年6月、独混第21旅団とともに歩兵第170連隊は解隊された。連隊は、喪失した軍旗の再下付を再三申請していたが、かなわないままの現地解隊となった。軍旗を喪失したことによる懲罰的な解隊処分であったとも言われる。 ウェーク島分遣の第2大隊は、連隊の解隊と同時に新設の南海第3守備隊の基幹部隊となった。連隊主力の残存戦力や独混第21旅団の残存戦力の一部(戦車隊等)も、この南海第3守備隊に編合されることになり、ラバウルからウェーク島に向かったが、輸送途中で再び潜水艦の攻撃を受けて海没し、トラック島で再編成後の同年9月にウェーク島に到着した。1944年5月には、指揮系統の一本化のため、後からウェーク島に増援されてきた独立混成第5連隊第1大隊や戦車第16連隊主力などと統合されて、独立混成第13連隊が編成され、歩兵第170連隊系の将兵の多くはその第1大隊要員となった。終戦までウェーク島には連合国軍の上陸が無かったものの、空襲や艦砲射撃、補給途絶による食糧難や医薬品不足に悩まされ、多くの死者を出した。(''ウェーク島の戦い#その後のウェーク島も参照'') 終戦後に復員したのは、連隊の将兵3000人のうち100名程度とも言われる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「歩兵第170連隊」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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