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猫の災難(ねこのさいなん)は古典落語の演目の一つ。原話は、安永6年(1777年)に出版された笑話本・「新落噺初鰹」の一遍である『初鰹』。 元々は上方落語の演目で、3代目柳家小さんが東京に持ち込んだ。主な演者として、4代目柳家小さんや3代目三遊亭金馬、現代では10代目柳家小三治、3代目柳家権太楼などがいる。 == あらすじ == 朝湯から帰ってきて、一人でぼんやりしていると急にお酒が飲みたくなってきた。 しかし、熊五郎は一文無し。逆立ちしたってお酒が飲めるわけがない。 「飲みてえ、ノミテェ…」と唸っているところに、隣のかみさんが声をかけた。 見ると、大きな鯛の頭と尻尾を抱えている。 なんでも、猫の病気見舞いに特大の鯛をもらって、身を食べさせた残りだという。 捨てに行くというので、「眼肉(咀嚼筋)がうまいんだから、あっしに下さい」ともらい受けた。 「このままだと見栄えが悪いな。そうだ…」 ざるの上に載せ、すり鉢をかぶせてみたら何とか鯛があるような形になった。これで肴はできたが…肝心なのは『酒』だ。 「今度は、猫が見舞いに酒をもらってくれないかな…」 ぼやいていると、そこへ兄貴分が訊ねてきた。 「酒や肴は自分が用意するから、一緒にのまねぇか?」 そういった兄貴分が、ふと台所に目をやって…件の『鯛』を発見した。 「いい鯛が在るじゃねぇか!」 すり鉢をかぶせてあるので、真ん中がすっぽり抜けていることに気づかない。 「ジャア、後は酒を買ってくるだけだな。どこの酒屋がいいんだ?」 近くの酒屋は二軒とも借りがあるので、二丁先まで行って、五合買ってきてもらうことにした。 さあ、困ったのは熊だ。いまさら『猫のお余りで、真ん中がないんです』だなんていえる訳がない。 思案した挙句、酒を買って戻ってきた兄貴分に【おろした身を、隣の猫がくわえていきました】と告げた。 「どっちの隣だ? 俺が文句を言いにいってくる!!」 「ちょっと待ってくれ! 隣のうちには、日ごろから世話になってるんだよ…」 『我慢してくれ』と熊に言われ、兄貴分、不承不承代わりの鯛を探しに行った。 「助かった…。しかし、どんな酒を買ってきたのかな?」 安心した途端、急にお酒が飲みたくなる。 「どうせあいつは一合上戸で、たいしてのまないからな…」 冷のまま、湯飲み茶碗に注いで「いい酒だ、うめえうめえ」と一杯…また一杯。 兄貴分の分は別に取っておこうと、燗徳利に移そうとした途端…手元が狂って畳にこぼした。 「おわっ!? もったいねぇ!!」 畳に口をつけてチュウチュウ。気がつくと、もう燗徳利一本分しか残っていない。 「参ったな。如何しよう…。仕方がない、また隣の猫に罪をかぶってもらうか」 兄貴分が帰ってきたら、【猫がまた来たので、追いかけたら座敷の中を逃げ回って、一升瓶を後足で引っかけて…】と言うつもり。 そうと決まれば、これっぱかり残しとくことはねえ…と、熊、ひどいもので残りの一合もグイーッ! 「いい休みだな。しかし、やっぱり酒がすべてだよ。花見だって、酒がなければ意味がねぇしな」 『夜桜ぁ~やぁ~♪』と、いい心持で小唄をうなっているうち、《猫を追っかけている格好》をしなければと思いつき、向こう鉢巻に出刃包丁。 セリフの稽古をしているうち…眠り込んでしまった。 一方、鯛をようやく見つけて帰った兄弟分。熊は大鼾をかいて寝ているし、一升瓶をみたら酒がすべて消えている。 「なにやってんだよ!!」 「ウー…だから、隣の猫が…」 「瓶を蹴飛ばして倒した!? なんて事を…ん? この野郎、酔っぱらってやがんな。てめえがのんじゃったんだろ」 「こぼれたのを吸っただけだよ」 『隣に怒鳴り込む』と、兄貴分がいきまいている所へ、隣のかみさんが怒鳴り込んできた。 「いい加減にしとくれ。家の猫は病気なんだよ。お見舞いの残りの鯛の頭を、おまえさんにやったんじゃないか!」 物凄い剣幕で帰っていった。 「どうも様子がおかしいと思ったよ。この野郎、おれを隣に行かせて、いったい何をやらせるつもりだったんだ!?」 「だから、隣へ行って、猫によーく詫びをしてくんねえ…」 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「猫の災難」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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