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環 歌子(たまき うたこ、1901年10月28日 - 1983年9月5日)は、日本の映画女優である。牧野省三への阪東妻三郎推挙の蔭にこの人あり、阪妻を「妻ちゃん」と呼べる女優は環をおいてほかにいない。無声時代にキャリアの始まる大物女優として知られる。本名青木 ツネ(あおき-、旧姓)、一時玉木 悦子(たまき えつこ)を名乗る〔『日本映画俳優全集・女優編』(キネマ旬報、1980年)の「環歌子」の項の記述(p.436-437)を参照。同項執筆は盛内政志。〕。 == 来歴・人物 == 1901年(明治34年)10月28日、北海道庁函館区(現在の北海道函館市)に生まれる。1918年(大正7年)、北海道庁立函館高等女学校(現在の北海道函館西高等学校)を卒業して上京、「浅草オペラ」のアサヒ歌劇団に入団、浅草公園六区の「駒形劇場」で初舞台を踏んだ〔。 1921年(大正10年)7月、国際活映新派の田村宇一郎監督作品のロケーションにエキストラ出演したところ、田村に認められ、同社の巣鴨撮影所に入社した。ここから「環歌子」を名乗る。同年9月17日公開の『秩父嵐』でスクリーンデビューを果たす。二枚目俳優葛木香一の相手役をつとめ、1923年(大正12年)4月、京都に設立された牧野省三の「マキノ映画製作所」に引き抜かれる。このときの仲間に大部屋時代の阪東妻三郎がいた。はじめは現代劇女優であったが、牧野自らの監督作『加賀の若殿』で初の時代劇女優となる。従来マキノでは、女役は女形の花柳紫紅がつとめていた。このとき環はマキノのトップ女優であった〔。またこの頃、付き人に後の俳優の杉狂児がいた。 阪東妻三郎第一回主演作品『鮮血の手形』前後篇でも大役をこなすが、本作に阪東を推したのは、脚本の寿々喜多呂九平のみならず、環の推薦も大きかった。阪東は本作で一躍スターとなる。1924年(大正13年)、映画女優の人気投票で6万2,674票という記録的な数値で1位を獲得している。同年6月のマキノと東亜キネマの合併で、現代劇の東亜キネマ甲陽撮影所に移籍する。翌1925年(大正14年)3月、東亜を退社した阪東に同行し阪東妻三郎プロダクションに入社、寿々喜多脚本、二川文太郎監督の傑作『雄呂血』に、阪東演じる久利富平三郎の破滅の原因となる女を演じる。同作きりで退社、河野正一と結婚する〔。24歳であった。 1926年(大正15年)9月、マキノ・プロダクションに復帰、御室撮影所に入社、「玉木悦子」を名乗った。日活・東亜キネマとの競作、吉川英治原作の『鳴門秘帖』では、日活の酒井米子、東亜の原駒子と同役(見返りお綱)を競った〔。 1928年(昭和3年)7月に「環歌子」に名を戻し、同年9月、河合プロダクションに移籍、時代劇、現代劇に多く出演する。翌1929年(昭和4年)6月に河合を退社、休養期間を経て、1930年(昭和5年)5月、松竹下加茂撮影所に入社、のちの1932年(昭和7年)に一度引退している。 引退から3年後の1935年(昭和10年)8月、33歳のころに日活京都撮影所に入社して復活する。1941年の稲垣浩監督作品『江戸最後の日』で、ひさびさに阪東の勝海舟とその妻として共演することとなり、スタジオに入るなり、当時大スターの阪東に「妻ちゃん、しばらく」と言い放ち、スタッフ一同を驚かせたという。大女優であった〔。 戦後も、40代でマキノ雅弘のCAC作品、50代でも日活の児井英生プロデュース作品(1956年)に出演した。テレビドラマの出演はなかった〔テレビドラマデータベース全文検索 で確認。〕。 1983年(昭和58年)9月5日に死去。81歳没。晩年は東京の葛飾区お花茶屋の駅ほど近くに住んでいた〔。身長5尺2寸(現在の約157.6センチ)、体重12貫(約45キロ)〔『昭和4年度「日本俳優名鑑」映画俳優の部』(『芝居とキネマ』誌、1929年1月号新春付録)の記述を参照。1070.jpg でその抜粋が読める。〕、すらりとした、当時としては長身の美人女優であった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「環歌子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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