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数学において、母関数(ぼかんすう、; 生成関数)は、(自然数で添字付けられた)数列 に関する情報を内包した係数を持つ、形式冪級数である。母関数は、一般線型回帰問題の解決のためにド・モアブルによって1730年に初めて用いられた〔Donald E. Knuth, ''The Art of Computer Programming, Volume 1 Fundamental Algorithms (Third Edition)'' Addison-Wesley. ISBN 0-201-89683-4. Section 1.2.9: Generating Functions, pp. 86〕。複数の自然数で添字付けられる数の配列(多重数列)の情報を取り込んだ多変数冪級数を同様に考えることもできる。 母関数には、通常型母関数 ()、指数型母関数 ()、ランベルト級数 ()、ベル級数 ()、ディリクレ級数 () など様々なものがある。これらについては定義と例を後述する。原理的にはあらゆる列についてそれぞれの種類の母関数が存在する(ただし、ランベルト級数とディリクレ型は添字を 1 から始めることが必要)が、扱い易さについてはそれぞれの種類で相当異なるかもしれない。どの母関数が最も有効かは、その列の性質と解くべき問題の詳細に依存する。 母関数を、形式冪級数に対する演算・操作を用いるなどして(級数の形ではなく)の式で表すこともよく行われる。このような母関数の表示は、母関数の不定元を ''x'' とすれば、四則演算、母関数の''x'' に関する微分、他の母関数へ代入すること、などを行った結果として得られる。これらの操作は関数に対しても定義されるものであるし、結果として得られる式もやはり ''x'' の関数であるかのように見える。実際、母関数を ''x'' の(十分小さい)具体的な値で評価することのできる関数として解釈することができる場合も少なくない(このとき、母関数の冪級数表示は、母関数の閉じた形の式のテイラー級数と解釈される)のであり、それがこの式が「母関数」と呼ばれる所以でもある。しかし、形式冪級数は ''x'' に何らかの数値を代入したときに収束するかどうかは問題にしないのであって、母関数についてそのような関数としての解釈が可能であるということは必ずしも要求されるものではないし、同様に ''x'' の関数として意味を持つ式がいずれも形式冪級数に対して意味を持つわけではない。 慣例的に母「関数」と呼ばれてはいるが、始域から終域への写像という関数の厳密な意味に照らして言えば母関数は関数ではなく、今日的には生成級数(母級数)と呼ぶこともしばしばである。 == 定義 == === 通常型母関数 === 数列 の通常型母関数とは、形式冪級数 : のことである。単に「母関数」と言った場合、通常型母関数を意味することが多い。 ''a''''n'' が離散確率変数の確率質量関数なら、その通常型母関数をと呼ぶ。 通常型母関数は多重添字を持つ列に対するものに一般化できる。例えば、二重数列 (''n'' と ''m'' は自然数)の通常型母関数は : である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「母関数」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Generating function 」があります。 スポンサード リンク
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