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生活保護問題 : ミニ英和和英辞書
生活保護問題[せいかつほごもんだい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [せい, なま]
  1. (adj-na,n,adj-no) (1) draft (beer) 2. draught 3. (2) raw 4. unprocessed 
生活 : [せいかつ]
  1. (n,vs) living 2. life (one's daily existence) 3. livelihood 
生活保護 : [せいかつほご]
 (n) livelihood protection
: [ほ]
  1. (n,vs) guarantee 
保護 : [ほご]
  1. (n,vs) care 2. protection 3. shelter 4. guardianship 5. favor 6. favour 7. patronage 
: [もん]
 【名詞】 1. problem 2. question 
問題 : [もんだい]
 【名詞】 1. problem 2. question 
: [だい]
  1. (n,vs) title 2. subject 3. theme 4. topic 

生活保護問題 : ウィキペディア日本語版
生活保護問題[せいかつほごもんだい]

生活保護問題(せいかつほごもんだい)は、日本生活保護制度に関する諸問題のことである。
== 水際作戦 ==
生活保護行政における「水際作戦」とは、一部地方公共団体で採られた、福祉事務所において審査もせずに保護申請の受理を拒否することで、生活保護の受給を窓口という「水際」で阻止する方策をいい、軍事用語から転用された語である。保護請求権を行使する具体的な方法である保護の申請は権利として保障されており(後述)、このような方策の多くは違法行為であるが、生活保護扶助費用の1/4および現業員の給与は自治体予算から支出されるため、生活保護受給者の増加が財政の大きな負担となっている〔東京都中野区では900億円の予算のうち100億円が生活保護に関する予算(それを担当する職員、議員、対応に要する経費は除く)となっている。〕。現業員ですら生活保護法を正しく理解しておらず、生活保護に対する誤解と偏見を持っており、保護利用者に対し強い蔑みと不正利用に対する警戒心がある。そうした現業員には、生活保護申請が権利であるとの認識はなく、哀れみや施しの意識が存在している〔。
1987年昭和62年)に、札幌市白石区で“保護受給申請をさせず相談に留める”対応が行なわれていたことが確認されている。これが原因で、母子家庭の母親が餓死した〔水島宏明『母さんが死んだ―しあわせ幻想の時代に』社会思想社〕。
2007年7月10日福岡県北九州市において、生活保護受給者が「就職した」と市職員に虚偽報告を強いられ、生活保護を打ち切られた結果、「おにぎり食べたい」と書き残して餓死した事案が発覚、大きな問題となった。この問題の根底には1967〜1987年まで、20年もの長きに渡って市長をしていた谷伍平が生活保護の不正受給の一掃を掲げ、生活保護の「適正化」を推し進めた事が背景にあるといわれる(なお、谷はこの事件が発覚する約半月前に死去している)。保護開始・廃止件数の事実上の数値目標を各福祉事務所に課すこの手法は全国に報道され、マスメディアの多くは北九州市の施策を批判した〔一方、『週刊新潮』は不正受給を強調し、北九州市を支持した。2006年12月28日号「特集 働く者がバカをみる生活保護天国ニッポン」〕。2006年11月30日放送「報道ステーション」で北九州市の「水際作戦」が報じられると、同市は「公平・公正さに欠ける」と抗議した〔
*弱者切り捨ての格差拡大「ヤミの北九州方式」とは?
* 生活保護の実施に対する批判について 〕。
同年2月に実施された市長選挙で、谷と谷の手法を引き継いだ末吉興一による、これまでの市の生活保護行政を批判した北橋健治が、末吉の後継者を破って当選した。北橋市政の下で、第三者による検証委員会が設置され、市の保護行政の検証が進められた。公開された「北九州市生活保護行政検証委員会」の議事録によれば、数値目標は「暴力団の不正受給を防ぐため」の目標だったが、数値目標が一人歩きし、不必要な人間に生活保護を出し、本当に必要な人に生活保護を出さなくなったのではないかなどと検証されている〔、北九州市生活保護行政検証委員会 〕。
その他の自治体においても、担当職員から「もう来ないと一筆書け」と言われたり、乗車券や電車賃高速バス料金を渡されて、他の自治体に行くよう指示されるケースがあり〔あいりん地区#情勢〕、2007年12月14日には兵庫県加古川市において、心筋梗塞で働けなくなった30代男性の生活保護申請者の申請取下げ書を偽造していた事件が発覚した〔生活保護:加古川市が勝手に取り下げ書 不支給決める 毎日新聞 2007年12月14日 〕。また大阪府貝塚市でも2007年に複数の違法行為が発覚した〔湯浅前掲書、171-172ページ〕。2010年8月15日さいたま市北区で、76歳の男性が熱中症で死亡した。電気代を2000年から払えず、電気を止められていた。病を持つ息子との二人暮しであったが、十数年前に生活保護の申請をしたが却下され、父親の年金だけで暮らしていたことが明らかになった。また、京都府宇治市でも、「妊娠した場合は受給を止める」、「母子家庭の場合は異性と同居生活しないこと」等の内容で誓約書を書かせていた事例が判明しており、厚生労働省は、「誓約書を書かせることは不適切である」との見解を出している〔「妊娠したら生活保護停止」 宇治市職員、誓約求める 朝日新聞 2012年3月13日〕。また、京都府舞鶴市では、胎児の事実上の父親と連絡が取れない女性の生活保護申請者に対し、「胎児の父親の連絡先が必要だ」との理由で申請を拒否した事例がある。同市は「対応に問題はない」と主張しているが、市民団体からの通報を受けた府が同市を指導したところ受理している〔生活保護:33歳女性の申請拒否、指導で受理 京都・舞鶴 毎日新聞 2012年6月20日〕。また、長崎県在住の犯罪被害者が、犯罪被害者等給付金を受け取っていたが、後遺症が残っているとして生活保護を受けているケースで、被害に関する講演の謝礼を収入と見做され、福祉事務所から返還を求められたケースもあり〔犯罪被害者:後遺症抱え生活保護 持続補償、制度化を 毎日新聞 2014年2月26日〕、有識者からは、被害者給付制度の脆弱性を生活保護で補うことの問題点と、持続的な補償制度の創設を求める声がある〔犯罪被害者:尽きぬ苦悩 後遺症抱え生活保護、講演料は「収入」 持続補償、制度化を 識者の話 毎日新聞 2014年2月26日〕。また、大阪府大東市では、生活保護を受けていた家庭で唯一就業していた長男が独立して家を出たことについて、この長男の行為について「世帯の独自立から遠ざかる行為である」と非難する内容の指導指示書を送っていたことが判明している。市は両親の代理人である弁護士から抗議を受け、指示書を撤回している〔大阪・大東市:生活保護、18歳の独立非難 抗議受け撤回 毎日新聞 2015年10月4日〕。
また、水俣病患者の迅速な救済のため、厚生労働省2010年以降、一時金などを支給するようになったが、この一時金について、厚生労働省は「収入である」と判断し、一時金支給を受けている被害者が生活保護の支給を受けられなくなっているケースが多発している。こうした世帯は、熊本鹿児島両県で100世帯を超える数で存在している。かえって生活苦が増したとの被害者からの声が相次いでおり、有識者からは「実情に合わない制度である」として問題視する意見が多い。熊本県などは制度の見直しを要望しているものの、厚生労働省は「原則通りの運用であり、変更予定は無い」としている〔水俣病百世帯、生活保護停止…原則通りと厚労省 読売新聞 2011年6月9日〕。2011年には、この影響で生活保護が受けられなくなった患者から、訴訟が起こされている〔水俣病:和解金で生活保護打ち切り 被害者4人が提訴 毎日新聞 2011年9月10日〕。
また、東日本大震災の被災者が、義援金を受け取ったことにより、生活保護が打ち切られた事例があり、該当者による訴訟が起こされている〔義援金で生活保護打ち切り 仙台市の女性 処分取り消し求める 産経新聞 2011年10月21日〕。
他にも、最後の頼みとして相談に来た相談者に、「稼働能力がある(まだ、年齢が若い)〔「稼働能力がある」だけでは保護しない理由にはならず、「稼働能力があり、それを活用できる場があるにもかかわらず、稼働能力を活用しようとしない」場合にはじめて却下が可能となるものである。つまり、稼働能力を有していても、それを活用できる場がない場合や、求職活動をしていても職が得られない場合は保護の要件を欠けるものではない。〕」、「扶養義務者がいる〔生活保護法4条2項は「民法に定める扶養義務者の扶養は保護に優先して行われるものとする」と規定しているが、この「扶養義務が保護に優先する」とは、要保護者が扶養義務者から扶養されている状態にある場合には保護申請を却下し、保護決定後に扶養義務者から扶養援助が行われたら、収入認定してその援助の金額の分だけ保護費を減額、または保護を廃止するという意味であり、扶養義務者が存在すること自体は保護の前提要件ではない。まだ扶養義務者に援助を求めていない場合や援助を求めたが断られた場合でも、そのことのみを理由に保護申請を却下することはできない。申請者がまだ扶養義務者に援助要請をしていなくても、要保護状態であれば保護を開始する。扶養義務者への費用負担については、保護開始後に保護実施機関が扶養期待可能性に応じて扶養義務者に受給者への援助の可否を照会し、保護実施機関は扶養義務者から扶養義務範囲内の保護費用の全部又は一部を徴収し、扶養義務者負担額について扶養義務者の間に協議不調もしくは協議不能の場合は保護の実施機関の申立により家庭裁判所が扶養義務者負担額を決定した上で徴収することになっている。しかし、扶養義務者に負担させるために前述の手続きをすることは行政の担当者にとっては膨大な手間暇がかかるため、窓口で申請自体を断念させる手法が安易な方法として行われている。なお、扶養問題については1946年制定の旧生活保護法では「扶養義務者が扶養をなしうる者」は実際に扶養援助がなされていなくても保護の要件を欠くとされていたが、1950年制定の現行生活保護法ではこの欠格条項は撤廃されている。〕」、「ホームレスである〔申請時に住所を有していないことは保護しない理由にならない。厚生労働省は2009年3月、住居がなくても生活保護申請を受け付けるよう自治体に通知している。〕」、「現住居の家賃が高すぎる〔申請時点で住宅扶助基準額を超える家賃の住宅に居住しているとしても、そのこと自体は申請者の要保護性とは何の関係もなく、保護を開始してから住宅扶助として転宅費を一時扶助して基準額以内の住居に転居させるべきものである。ただし、転居を拒否し続ければ、生活保護停止や廃止の対象となりうる。〕」、来所者が若い女性ならば「風俗嬢に身を投じても働くべし」などを理由に窓口で申請自体を断念させているという事例が多いとされている。
平成20年9月、リーマンショックが発生し、雇用失業情勢の悪化に伴い行われた内定取消し、非正規労働者の雇止め等が話題になる中、同年12月、厚生労働省前の日比谷公園において、市民ボランティアらが仕事と住まいを失った人々を対象に宿泊所の提供や炊き出し等の支援を行う、いわゆる「年越し派遣村」が開設された。失業により生活困窮者が増加すると見られ、「生活に困窮する方々を早期に発見し、本人の事情や状況に応じた支援を関係機関と連携して迅速に実施した」ため、平成21年3月、厚生労働省より「職や住まいを失った方々への支援の徹底について」(社援保発0318001号、平21.3.18)(厚生労働省社会・援護局保護課長)が通知された。
平成21年(2009年8月30日に実施された第45回衆議院議員総選挙の結果、自公連立政権から民社国連立政権への政権交代が行われた。同年末には日本国政府東京都により、「年末年始の生活総合相談」(いわゆる公設派遣村)が実施され、国の大規模宿泊施設利用者数は860 名、生活保護が決定した者は482名であった。平成21年12月、「失業等により生活に困窮する方々への支援の留意事項について」(社援保発1225第1号、平21.12.25)(厚生労働省社会・援護局保護課長)が通知された。本通知は、平成21年3月に出された通知等の趣旨を踏まえつつ、「速やかな保護決定」、「住まいを失った申請者等に対する居宅の支援確保」等について「留意し、効果的で実効ある生活保護制度の運用に努め」ることを促すものである。
派遣村に関する一連の報道及び厚生労働省の対応は、生活保護を受けることへの抵抗感を弱め、受給者増の一因になったとの見方もある〔参議院 立法と調査P83 No.331 2012.8 〕2012年2月現在受給者は過去最多を記録している〔J cast news 「生活保護急増の背景に厚生労働省の二度にわたる「決定通達」?2012年6月8日 〕。
厚生労働省によると、2010年度に申請された生活保護のうち、96%が受給を認められている〔片山さつき『福祉依存のインモラル』 オークラNEXT新書 2012年12月出版〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「生活保護問題」の詳細全文を読む




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