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biohazard =========================== ・ 生 : [せい, なま] 1. (adj-na,n,adj-no) (1) draft (beer) 2. draught 3. (2) raw 4. unprocessed ・ 生物 : [せいぶつ, なまもの] 【名詞】 1. raw food 2. perishables ・ 物 : [もの] 【名詞】 1. thing 2. object ・ 災害 : [さいがい] 【名詞】 1. calamity 2. disaster 3. misfortune ・ 害 : [がい] 1. (n,vs) injury 2. harm 3. evil influence 4. damage
バイオハザード(、生物学的危害〔日本薬局方解説書編集委員会、2008年2月『第十五改正日本薬局方第一追補解説書』廣川書店、ISBN 978-4-567-01514-1〕)とは、有害な生物による危険性をいう〔「生物災害」と訳して危険性による災害そのものをいうこともある(バイオメディカルサイエンス研究会2008年1ページ目。小松俊彦、2001年「生物学的製剤等の製造所におけるバイオセーフティの取扱いに関する指針 」『日本PDA学術誌 GMPとバリデーション』(日本PDA製薬学会)3巻1号8ページ、、2008年11月20日閲覧。)。〕。古典的には病院や研究所の試料や廃棄物など、病原体を含有する危険物(病毒をうつしやすい物質〔航空危険物規則において規定されている表現に合わせた呼称。厚生労働省、発行日不明『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の規定に基づく運搬の基準・規格等・一部適用除外に関する告示に関する意見募集の結果について 』2011年1月4日閲覧。〕)を指してきたが、20世紀末からは雑草や害虫を強化しかねない農薬耐性遺伝子や農薬内生遺伝子を有する遺伝子組み換え作物等もこの概念に含まれてきている(遺伝子組換え生物等)〔佐藤隆広、2002年9月14日「WTOの貿易関連知的所有権(TRIPS)協定と南北問題 インドを事例として 」関西支部定例研究会(日本国際経済学会)11ページ、2009年11月3日閲覧。また、世界保健機関(2008年5ページ目)は「病毒をうつしやすい物質」の定義と分類において「遺伝子組換え微生物および遺伝子組換え生物」を挙げている。〕。 == 病毒をうつしやすい物質 == 肝炎ウイルスや結核菌、エキノコックス、プリオンタンパク質といった病原体の培養物やその廃棄物、注射針等の医療廃棄物、生物兵器といった、病原体等を含有する物質を総称して病毒をうつしやすい物質()という。病原体とは感染症の原因物質のことであり、ウイルスや細菌、リケッチア、寄生虫、真菌、プリオンタンパク質等のうち、人畜に感染性を有し、その伝播により市民の生命や健康、畜産業に影響を与えるおそれがあるものを指す〔国際連合2007年第1巻113ページ、感染症法(国会2008年第六条8項)〕。 バイオハザードの歴史は、1876年、ロベルト・コッホが炭疽菌の純粋培養に成功したことに始まる〔山内一也、2002年「バイオセーフティの歴史的背景 」『日本バイオセーフティシンポジウム 』(日本バイオセーフティ学会 )第1回、2008年11月3日閲覧。〕〔Koch, Robert、1876年「Die Aetiologie der Milzbrand- Krankheit, begruendent auf die Entwicklungsgeschichte des ''Bacillus anthracis''」『Beitra"ge zur Biologie der Pflanzen』2巻2号277~310ページ、。英訳:Brock, Thomas、1999年「The etiology of anthrax, based on the life history of ''Bacillas anthacis''」『Milestones in Microbiology 1556 to 1940』(ASM) 89-95ページ、ISBN 9781555811426〕。これ以降、注射針(針刺し事故)やピペット(菌液を吸い上げる際の誤飲)を介してチフス菌、ブルセラ菌、破傷風菌、コレラ菌、ジフテリア菌と、実験室感染が毎年のように相次ぐこととなる〔Kruse, Richard、1991年「Biological Safety Cabinetry 」『Clinical Microbiology Reviews 』(ASM ) 4巻2号208ページ、、2010年12月30日閲覧。〕。 20世紀半ばに至ると、米ソ冷戦により生物兵器研究が活発化し生物兵器研究者をバイオハザードから守るべく、軍事研究においてバイオセーフティーが発達することとなった〔。民間においては1967年8月、西ドイツのマールブルグにおいてウガンダのアフリカミドリザルを解剖中、マールブルグ病に感染、7名の死者が出る惨事があり、これを契機に、民間にもバイオセーフティーの必要性が認知されることとなった〔倉田毅、2002年「マールブルグ病 」『感染症の話 』(国立感染症研究所)第36週、2008年11月3日閲覧。〕。しかしこの後もバイオハザードによる感染事故は相次いだ。1978年、英国バーミンガム大学において、天然痘ウイルスがエアロゾルとなって空調に漏洩して棟内感染、2名の死者(感染したバーミンガム大学技術者ジャネット・パーカーと、ウイルスを漏洩させ自殺した天然痘世界的権威ヘンリー・ベドスン)を出した〔英国政府印刷局、1980年7月22日『Report of the investigation into the cause of the 1978 Birmingham smallpox occurrence 』2010年12月30日閲覧。〕。そして1979年には、炭疽菌が旧ソ連スヴェルドロフスクの生物兵器研究所から市街に漏洩し、96名が感染〔山内一也、1999「ソ連の生物兵器開発の実態:新刊書「バイオハザード」 」『人獣共通感染症 』(日本獣医学会 )79巻、2008年11月13日閲覧。〕、66名が死亡するという大惨事が発生した〔世界保健機関、2004年『Public health response to biological and chemical weapons: WHO guidance, 2nd edition 』218ページ、ISBN 92-4-154615-8。和訳:山下俊一、発行日不明『生物・化学兵器への公衆衛生対策WHOガイダンス 第2版 』2008年11月13日閲覧。〕。 過失による事故が多発する一方、20世紀末には、故意による事件が発生し始める。日本ではオウム真理教が1990年にボツリヌス菌の大量散布を試み〔太田文雄、2007年「情報と防災 これからの安全保障環境と省庁間協力 」『消防科学と情報』(消防科学総合センター)89号、、2008年11月22日閲覧。〕、1993年には炭疽菌の大量散布を試みたが(亀戸異臭事件)いずれも失敗に終わった。米国では2001年、炭疽菌の入った手紙が米国の報道機関や議員宛てに送りつけられ、22名が感染、うち5名が死亡した(アメリカ炭疽菌事件)。 このように、病毒をうつしやすい物質は過去に幾多の事故や事件を引き起こしており、これがバイオセーフティーの呼びかけやバイオセキュリティー上の規制に繋がっている。世界保健機関(2004年)は『WHO実験室バイオセーフティ指針』を示すなどして、感染防止、漏洩防止(バイオセーフティー)を呼びかけている。輸送にあっては、国際連合が国際連合危険物輸送勧告により、感染性廃棄物を含めて第6.2類危険物「病毒をうつしやすい物質」(Infectious substances; UN2814, 2900, 3373, 3291) としてバイオセキュリティーに配慮するよう勧告している。これらを受け、日本では、特定病原体等などを含有する物質は感染症法・家畜伝染病予防法、感染性廃棄物は廃棄物処理法等、輸送にあっては、危険物船舶運送及び貯蔵規則および航空法施行規則による規制がなされるに至っている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バイオハザード」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Biological hazard 」があります。 スポンサード リンク
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