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生神女(しょうしんじょ、, 教会スラヴ語・ロシア語・ブルガリア語: , )とは、「神を生みし女」を意味する、正教会におけるイエスの母マリアに対する敬称。一般に言われる聖母マリアの事であるが、日本正教会では聖母という表現は用いられず専ら「生神女」「生神女マリヤ」「生神女マリア」との表現が用いられ、生神女マリアを単に聖母マリアという語に限定してしまうのは誤りであるとされる〔高橋保行『ギリシャ正教』292頁、講談社学術文庫、1980年。〕〔「聖母」…戦前・戦後すぐの時期には書籍や聖堂名で用いられているケースもあったが極めて稀である。現在では用例は一切みられなくなった。また、明治時代から現在に至るまで一貫して、祈祷書では「聖母」という表現は全く用いられない。〕。正教会では生神女マリヤを神の母・第一の聖人として位置付けている。 ==訳語の概要== 「生神女」の原語はギリシャ語「」(セオトコス)〔現代ギリシャ語読みを本項では採用する。古典再建音では「テオトコス」となる。〕であり、これは「神(:セオス)を産んだ者(:トコス)」という意味である〔久松英二 『ギリシア正教 東方の智』134頁 講談社選書メチエ (2012/2/10) ISBN 9784062585255〕。つまり「神を産む者」という称号であるがゆえに男性形語尾を保つ女性名詞であるが、それが教会スラヴ語で「」(ボゴロージツァ)(「神(:ボーク)を生む女(:ロージツァ)」の意)と翻訳された事を反映し、「生神女」と訳された。 日本ハリストス正教会では「聖母」という語は用いない。「生神女」「神の母」「永貞童女(「処女のままであった女」の意)」「童女」「童貞女」「女宰(じょさい)」「女王(にょおう)」といった表現が祈祷書には用いられており、日常的にも生神女マリヤと呼ばれる。これらの訳語が用いられる理由としては *大主教聖ニコライの訳を尊重すべきである。 *「聖なる母」は1人ではない(例は多数あるが、例えば生神女の母アンナも聖人であり、「神の祖母」と正教会では呼ばれる)〔久松英二 『ギリシア正教 東方の智』137頁 講談社選書メチエ (2012/2/10) ISBN 9784062585255〕。 *イイスス・ハリストス(イエス・キリスト)の母マリヤの称号「」:「神の母」は第三全地公会議での確認事項であり、これを尊重して精確な訳語を用いるべきである〔久松英二 『ギリシア正教 東方の智』136頁 講談社選書メチエ (2012/2/10) ISBN 9784062585255〕。 *海外正教会でも「」(セオトコス:生神女)・「the Virgin Mary」(童女マリヤ)・「」(ツァリーツァ:女王)等と呼ばれており、「Holy Mother」(聖母)とはまず呼ばれておらず、全正教会の標準的呼称に則るべきである〔。 等が挙げられる。なお、マリヤとマリアの違いは転写の違いに由来するものであり、あまり日本正教会でもいずれを用いるかは拘られていない。但し、聖書・祈祷書や聖歌では「マリヤ」で統一されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「生神女」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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