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産業化以前の装甲艦 : ミニ英和和英辞書
産業化以前の装甲艦[さんぎょうかいぜんのそうこうかん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [うぶ]
  1. (adj-no) innocent 2. naive 3. unsophisticated 4. inexperienced 5. green 6. wet behind the ears
産業 : [さんぎょう]
 【名詞】 1. industry 
: [ごう, わざ]
 【名詞】 1. deed 2. act 3. work 4. performance
: [か]
 (suf) action of making something
以前 : [いぜん]
  1. (n-adv,n-t) ago 2. since 3. before 4. previous 
装甲 : [そうこう]
  armoured 
: [かん]
  1. (n,n-suf) warship 

産業化以前の装甲艦 : ウィキペディア日本語版
産業化以前の装甲艦[さんぎょうかいぜんのそうこうかん]

装甲艦 とは厚い金属板により装甲がほどこされた木製の、または鉄骨に木板張りなど数種の材料で作られた軍艦である。1854年にフランスにおいて世界初の航洋装甲艦ラ・グロワールが建造される以前から、ヨーロッパにおいては船を建造する際衝角として利用するために金属製の船骨を用いており、また金属板張りの軍船についての記述も存在する。それらのなかには艦砲が装備されているものもあった。東アジア においては16世紀から艦砲を持ち金属の装甲が施された軍船についての記録がある。
しかしながら同時代の資料が不十分であることもあり、ヨーロッパと極東のどちらの例においても本当にの装甲を持つ船が存在したかについては不明瞭で、異説が多いことには留意しなければならない。
==ヨーロッパにおける記録==

船の装甲は木材を侵食するフナクイムシから保護する目的で船体を覆う習慣とは区別しなければならない。古代ギリシャの商船は紀元前5世紀までにはこの目的のために鉛の薄板で覆われていた〔D.J. Blackman: "Further Early Evidence of Hull Sheathing", ''The International Journal of Nautical Archaeology'', Vol. 1, No. 1 (1972), pp.117-119〕〔Lionel Casson: ''Ships and Seamanship in the Ancient World'', The Johns Hopkins University Press 1995, ISBN 0-8018-5130-0, p.210, 214-216, 460〕。 古代ローマにおける例では、皇帝カリグラが建造させたのちネミ湖に沈め、後世に発掘された「ネミ船」の水面下の部分が薄い鉛で覆われていた 〔。この習慣は大航海時代においてスペインポルトガルにおいて再び行われるようになり〔Rudolph Rittmeyer: "Seekriege und Seekriegswesen in ihrer weltgeschichtlichen Entwicklung", E. S. Mittler, Berlin 1907〕、また1760年代になってイギリス海軍も銅を軍船に使用し始めた〔Brian Lavery: ''The Arming and Fitting of English Ships of War 1600-1815'', Conway Maritime Press Ltd 1999, ISBN 978-0-85177-451-0, p.62-65〕。
古代ギリシャ僭主ヒエロン2世によって紀元前240年ごろ建造された巨大なSyracusiaという船はマストの先端を青銅で覆い、 敵の乗船を防ぐため鉄製の柵を甲板に設けていた〔Jean MacIntosh Turfa, Alwin Steinmayer Jr: "The Syracusia as a Giant Cargo Vessel", ''The International Journal of Nautical Archaeology'', Vol. 28, No. 2 (1999), pp. 105-125 (107-109)〕。船体は鉛の板で覆われ、青銅の釘で固定されていた〔D.J. Blackman: "Further Early Evidence of Hull Sheathing", ''The International Journal of Nautical Archaeology'', Vol. 1, No. 1 (1972), pp.117-119 (118)〕。
ローマ帝国カタフラクト軍船は側面をタールを塗った鉛によって防護されていた。これは敵船の衝突に対しては十分な防御力を発揮できなかったものの、長期間海にいることによるダメージから船体を保護する役割を担っていた〔Workman-Davies, Bradley : "Corvus: A Review of the Design and Use of the Roman Boarding Bridge During the First Punic War 264 -241 B.C", pp. 85〕。
ノルウェーロングシップの中には早くも11世紀には鉄の装甲が喫水線に沿って施されたものがあり、たとえばエイリーク・ハーコナルソンのIron Beardがそうである
〔。
ペドロ4世(1336-87)は火器から防御するために船を獣皮で保護しており〔Meyers Konversationslexikon, 4th edition, 1888-1890, entry: Panzerschiff 〕、これはローマ海軍がかつて行っていたのと同様である〔R. H. Dolley: "The Warships of the Later Roman Empire", ''The Journal of Roman Studies'', Vol. 38, Parts 1 and 2 (1948), pp. 47-53 (50)〕。

スペイン艦隊のバスク人提督Juan Lope de Lazcanoは1505年に船骨を鉄で覆った船を就役させた〔Mark Kurlansky: ''The Basque History of the World'', Walker & Company, New York 1999, ISBN 0-8027-1349-1, p. 56〕。
聖ヨハネ騎士団の銅張りのキャラック船サンタアンナ号を初期の装甲艦とみなす識者もいる〔〔Jochen Brennecke: ''Geschichte der Schiffahrt'', Kunzelsau 1986 (2nd. ed.), p.138〕〔H.J.A. Sire: "The Knights of Malta", Yale University Press 1996, ISBN 978-0-300-06885-6, p.88〕。1522年から1540年まで、この軍船は地中海においてオスマン帝国に対し効果的に運用された。
プレヴェザの海戦においてオスマン帝国の艦隊に深刻なダメージを与えたヴェネツィア共和国の旗艦Galleon of Veniceには金属の板が張られていた〔Ernle Dusgate Selby Bradford: "The Sultan's Admiral: The Life of Barbarossa", Harcourt, Brace & World, 1968, p.177〕。
1585年のアントワープ包囲戦 において、オランダ側は所持していたマン・オブ・ウォーである Finis Bellisの一部に鉄板を張っていた〔J. Rudlov: "Die Einfuhrung der Panzerung im Kriegschiffbau und die Entwicklung der ersten Panzerflotten", ''Beitrage zur Geschichte der Technik und Industrie'', Vol. 2, No. 1 (1910)〕。
1782年に ジブラルタル包囲戦において使用された浮き砲台は木製の板・鉄格子・革で作られた分厚い装甲が施されていたが、あまり効果をあげることはできなかった 〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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