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心臓移植(しんぞういしょく、)または心移植(しんいしょく)とは、重症心不全など他に代替治療手段の無い末期心疾患に罹患している患者である移植希望者(レシピエント)に対し、脳死状態にある臓器提供者(ドナー)の体から提供された心臓を移植する手術である〔Burch, M., & Aurora, P. (2004). Current status of paediatric heart, lung, and heart-lung transplantation. Archives of disease in childhood, 89(4), 386-389.〕。レシピエントの心臓を摘出してドナーの心臓を移植する術式(同所性心移植)が一般的であるが、レシピエント心を残し、ドナー心は別の場所に移植する術式(異所性心移植)も存在する。移植後は拒絶反応、感染症を予防するために種々の薬剤を服用する必要があるが、救命と余命の延長、QOLの向上を図り、最終的に社会復帰が期待できる治療法である〔福嶌教偉. 第4回リフレッシュセミナー報告 心臓移植. 日本放射線技術学会近畿部会雑誌 第10巻1号,65-70.〕。 == 歴史 == 心移植の研究の歴史は20世紀初頭から始まった。1905年にフランスの外科医アレクシス・カレルらが仔犬の心臓を成犬の頚部に血管吻合して移植したのが最初の動物実験例である〔この実験では、ドナー心の心房は収縮したものの心室は1時間待っても収縮しなかった。〕。当初はこのように異所性心移植の研究からスタートしたが、第二次大戦後に本格的な心移植の試みが始まり、スタンフォード大学のらのグループの精力的な研究により1960年代には犬の同所性心移植での長期生存に成功した〔小柳仁. 心臓移植と心肺移植. クリニシアン No.337, Vol.32. 45-53.〕。そして1964年にミシシッピ大学病院でがチンパンジーから成人への心移植を試み、初の人間に対する異種移植による心移植となった〔〔この移植では心臓は術後1時間で拍動を停止した。〕。 以後研究が重ねられ、1967年に南アフリカ・ケープタウン大学のクリスチャン・バーナードが、交通事故の女性から心停止後に人工心肺にのせて心臓の摘出・移植を行い、移植を受けた患者は18日間生存。これが初の人間同士による心移植の臨床例となった〔〔〔バーナードのケースではドナーの人工呼吸器を外し心停止を確認して5分間待ってから行われたものであり、脳死ドナーからの移植ではない。〕。 1970年代後半からは脳死の合意を作る努力がなされ、1981年に米国で、1983年にイギリスで脳死の判定基準が認められ、脳死下の臓器提供が合法化された〔。心移植の手術成績は当初は不良であったものの、免疫抑制剤のサイクロスポリンの登場や心筋保護法の進歩により成績は著しく向上し、特に末期心不全患者の外科治療として定着するに至った〔龍野勝彦 他. 心臓血管外科テキスト. 中外医学社. pp589-596. ISBN 978-4-498-03910-0.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「心臓移植」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Heart transplantation 」があります。 スポンサード リンク
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