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『異本紫明抄』(いほんしめいしょう)は、鎌倉時代に成立した『源氏物語』の注釈書。 == 概要 == 書陵部本やノートルダム清心女子大学本が「紫明抄」の外題を持ち、内容も素寂の著した「紫明抄」と共通する部分が多かったため、池田亀鑑などによって素寂以外の人物によって増補改訂された紫明抄の異本であるとされてきた〔池田亀鑑「紫明抄」増補改訂『日本文学大事典 第三巻』新潮社、1950年(昭和25年)8月。 〕。ところが、八木意知男〔八木意知男「異本紫明抄と紫明抄―教隆注の取捨―」今井卓爾他編『源氏物語講座第八巻 源氏物語の本文と受容』勉誠社 1992年(平成4年)12月、pp.. 93-107。 ISBN 978-4-585-02019-6 〕、稲賀敬二〔稲賀敬二「中世源氏物語梗概書の諸問題」『源氏物語の研究―成立と伝流―』笠間書院、1967年(昭和42年)9月、pp.. 15-46。 〕、堤康夫〔堤康夫「『紫明抄』の形成―『異本紫明抄』との関連を中心として―」(『源氏物語注釈史の基礎的研究』おうふう 1994年(平成6年)〕の研究によって、紫明抄に先行する注釈書で、むしろ紫明抄は異本紫明抄に多く依拠して成立していたことなどが明らかとなった。このため、紫明抄の異本という誤解をあたえる「異本紫明抄」ではなく、近年では内題の「光源氏物語抄」との呼称を用いることが多い。注釈のために引用している源氏物語の本文は河内本である。本書は後続する注釈書に「紫明抄」や「光源氏物語抄」の名で引用されてはいないものの、近年になって河海抄などに大きな影響を与えていることが指摘されている〔新美哲彦「『光源氏物語抄』から『河海抄』へ」『文学語学』第186号、2007年(平成19年)3月。のち『源氏物語の受容と生成』武蔵野書院、2008年(平成20年)10月、pp.. 167-186。 ISBN 978-4-8386-0227-8 〕。巻一の奥書、及び巻一の巻頭の「文永四二廿三始之」という記事によって、1252年(建長4年)から1267年(文永4年)にかけて、この注釈書が作成されたものと推測されている〔陣野英則「『源氏物語』古注釈における本文区分--『光源氏物語抄(異本紫明抄)』を中心に」早稲田大学大学院文学研究科編『早稲田大学大学院文学研究科紀要 第3分冊』第49号、早稲田大学大学院文学研究科、2003年度、pp. 3-17。 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「異本紫明抄」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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