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『モスラ』は、1961年7月30日に公開された、東宝製作の怪獣映画。およびそれに登場する架空の怪獣の名前。日本初の「東宝スコープ」(ワイド・スクリーン)の怪獣映画である。同時上映は『アワモリ君売出す』。 1998年には本作の内容を忠実に再現したサウンドドラマが制作された。 == 概要 == 東宝がゴジラ、ラドンに続く怪獣キャラクターとして注力した、構想3年、製作費2億円(当時)、製作延日数200日をかけた日米合作の大作特撮映画。本作で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、先出の2怪獣と並び“東宝三大怪獣”と称される。 プロデューサーの田中友幸によると、本作の企画原案は、制作の半年ほど前に森岩雄から「怪獣が暴れまわる映画も結構だけど、女性も観られる怪獣映画というのはどうだろう。すごく可愛らしい美人を出すんだよ」と持ちかけられたのがきっかけという。ここから「小美人」の設定が生まれ、田中は文芸員だった椎野英之のつてで中村真一郎を紹介され、中村と福永武彦、堀田善衛の三者に原作を依頼。こうして公開に先駆けて『週刊朝日』で「発光妖精とモスラ」が掲載された。田中は本作を『ゴジラ』、『空の大怪獣ラドン』と並んで「出来のいい怪獣映画」と自負している。 安保闘争の翌年の作品で、当初世界同時公開が予定されていたこともあり〔実際の海外公開は翌年となる。〕、ロリシカ(ロシア+アメリカのアナグラム。原作では「ロシリカ」)として描かれた米国との関係や、サンフランシスコ講和条約で日本が独立を回復したはずであるにもかかわらず、外国人の犯罪捜査や出入国管理が相変わらず在日米軍主導で行なわれていること、モスラがわざわざ横田基地を通ることなど、当時の日本の政治状況を反映した描写が目立つ。また、当時の宣材パンフレットには、フェミニズムや先住民問題がテーマとして掲げられている。 当初、モスラが国会議事堂に繭を作り、その周りをデモ隊(安保闘争のニュース映像を利用)が囲むというバージョンが考えられたが、田中友幸の「独立プロみたいだ」の一言で不採用になったという。国会議事堂に繭を作るという構想は、1992年に公開された『ゴジラvsモスラ』で映像化されている。 本作はアメリカのコロンビア映画との日米合作企画映画であり、初稿の脚本ではモスラは「ニュー・ワゴン市」を襲う予定で契約書が交わされた。ただし、後述するように東宝サイドでラストを変更したものの、コロムビア映画から契約違反で抗議されたため、急遽本来の結末に差し戻して、撮影し直された。 原作小説にモスラが過去に出現したゴジラよりも巨大であるという台詞が存在し、準備稿においてもシチュエーションは異なるものの同様の台詞が存在し、前史として『ゴジラ』があることを示唆していたが、最終的にはカットされている〔完成プリントでは自衛隊機からの報告で「全長100メートルくらいの怪獣」という台詞があり、ゴジラよりも巨大であることが明確な数値で示されている。〕。 主人公の名前・福田善一郎は、原作者3人の名前を組み合わせたもの。福田のニックネームの「スッポンの善ちゃん」は、アメリカ公開版では「ブルドッグのセンちゃん」になっている。 公開時、東宝撮影所の食堂には、ロールパンをモスラの幼虫、ゆで卵をモスラの卵に見立てた洋食の「モスラ弁当」が登場し、本編監督の本多と特技監督の円谷がこれを試食している写真が残っているなど話題となっている。また、バヤリースが企業タイアップしている。 当初は『大怪獣モスラ』というタイトルだった。当時のスピードポスター(赤地版)に書かれているモスラのスペルがMOSLAになっている。 1974年12月14日公開の『東宝チャンピオンまつり』で『海底大戦争 緯度0大作戦』(再映)と『燃える男 長島茂雄 栄光の背番号3』(新作)とともに上映された。オープニングのBGMがオリジナルと異なり、モスラが孵化する時のインファント島民の歌に変更されているなど、およそ1時間強の長さに短縮編集されている〔東宝ビデオから発売の本作DVDに、映像特典として収録。〕。 理由は不明だがオリジナルネガではセイバーが海上でモスラを発見するシーンでパイロットのカットが一部入れ替わっている(ビデオやLDも同様、公開当時の上映プリントと東宝チャンピオンまつり版では入れ替わっていない)。DVDでは本多の遺族の許可を取り元通りに直している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「モスラ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Mothra (film) 」があります。 スポンサード リンク
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