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デオキシリボ核酸(デオキシリボかくさん、〔イギリス英語発音: ディオクスィライボウニュークレイィック・アスィ(ッ)ドゥ〕〔アメリカ英語発音: ディアクスィライボウヌークリイック・アスィ(ッ)ドゥ〕、DNA)は、核酸の一種。地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質である。 == 構造 == === 構成物質と二重らせん構造 === DNA はデオキシリボース(五炭糖)とリン酸、塩基 から構成される核酸である。塩基はプリン塩基であるアデニン(A)とグアニン(G)、ピリミジン塩基であるシトシン(C)とチミン(T)の四種類ある。T〔田村(2010)、p.38-40、I細胞生物学の基礎、5.情報高分子(2):ヌクレオチドと核酸、5-1 核酸を構成するヌクレオチド〕。2-デオキシリボースの1'位に塩基が結合したものをデオキシヌクレオシド、このヌクレオシドのデオキシリボースの5'位にリン酸が結合したものをデオキシヌクレオチドと呼ぶ〔。 ヌクレオチドは核酸の最小単位であるが、DNAはデオキシヌクレオチドのポリマーである。核酸が構成物質として用いる糖を構成糖と呼ぶが、構成糖にリボースを用いる核酸はリボ核酸 (RNA) という〔。ヌクレオチド分子は、糖の3’位OH基とリン酸のOH基から水が取れる形でフォスフォジエステル結合を形成して結合し、これが連続的に鎖状の分子構造をとる〔田村(2010)、p.41、I細胞生物学の基礎、5.情報高分子(2):ヌクレオチドと核酸、5-2 核酸の鎖状分子形成〕。ヌクレオチドが100個以上連結したものをポリヌクレオチドと言うが、これがDNAの1本鎖の構造である〔。DNAには方向性があるという。複製の際、DNAポリメラーゼは5'→3'末端の向きでDNAを合成する。RNAの転写もこの方向性に従う〔。 二重鎖DNAでは、2本のポリヌクレオチド鎖が反平行に配向し、右巻きのらせん形態をとる(二重らせん構造)。2本のポリヌクレオチド鎖は、相補的な塩基 (A/T, G/C)対の水素結合を介して結合している。塩基の相補性とは、A、T、G、Cの4種の塩基うち、1種を決めればそれと水素結合で結ばれるもう1種も決まる性質である。A/T間の水素結合は2個、C/G間は3個であり、安定性が異なる。例外的に、特殊な配列が左巻きらせん構造をとる場合があり、これはZ型DNAと呼ばれる。 この相補的二本鎖構造の意義は、片方を保存用(センス鎖)に残し、もう片方は、遺伝情報を必要な分だけmRNAに伝達する転写用(アンチセンス鎖)とに分けることである。また、二本鎖の片方をそのまま受け継がせるため、正確なDNAの複製を容易に行うことができるため、遺伝情報を伝えていく上で決定的に重要である。DNA損傷の修復にも役立つ(詳しくは二重らせん)。 DNAの長さは様々である。長さの単位は、二本鎖の場合 bp(base pair: 塩基対)、一本鎖の場合 nt(nucleotide: 塩基、ヌクレオチド)である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「デオキシリボ核酸」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 DNA 」があります。 スポンサード リンク
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