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『破線のマリス』(はせんのマリス)は、野沢尚による日本の小説及び、それを原作とした2000年の日本映画。 テレビによる情報操作、虚偽報道の問題に踏み込んだ小説。第43回江戸川乱歩賞受賞作。1997年に講談社から出版された。発行部数は2015年1月現在で31万7000部。 マリスとは英語の法律用語で“悪意”の意味である。 2000年に映画化された。 ==あらすじ== 遠藤瑤子は映像モンタージュ技術が巧みな映像編集者で、首都テレビのニュース番組「ナイン・トゥ・テン」の編集を担当している。瑤子は放映時間直前に映像編集を仕上げるため、上司のチェックをすり抜けて虚偽報道スレスレの編集映像が流れるという事態が常態化している。それに不満を感じる同僚や上司は多いが、その一方で瑤子の映像編集が番組の高視聴率を支えていた。 ある日、瑤子は郵政官僚の春名誠一から一本のビデオテープを渡される。ビデオテープの内容は、市民団体幹部で弁護士の吉村輝夫の転落死事故が、実は郵政省幹部の汚職事件に絡む計画的殺人であったことを告発する物であった。瑤子はこのテープに編集を加え、上司のチェックをすり抜けて、郵政官僚の麻生公彦が弁護士殺しの犯人かのような映像を電波で流す。犯人視された麻生は放送局に乗り込み、自分は無関係と主張して謝罪を要求。さらに、郵政官僚として瑤子に接触した「春名誠一」という人物は郵政省には存在せず、瑤子が受け取ったビデオテープは捏造されたものだったことが判明する。麻生は一介の映像編集者である瑤子によって編集された映像がニュース番組で垂れ流しになっていることを知り、瑤子に執拗につきまとい謝罪を要求する。同じ頃、瑤子のプライベートを隠し撮りしたビデオテープが何本も瑤子に送りつけられ、瑤子はこれを麻生の仕業だと考える。ついには麻生の自宅に隠しカメラを仕掛けて盗撮し、仕返しとしてそれを編集したビデオテープを麻生に見せる。激昂した麻生は瑤子に詰め寄り、マスメディアの人間として客観性に欠ける瑤子の姿勢を糾弾する。言葉に詰まった瑤子は麻生を突き飛ばし、麻生は道路脇に転落して死亡、瑤子はその場から逃げ出す。翌日、瑤子は、目撃証言を恣意的に排して麻生の死が事故死であることを印象づける映像を作るも、またも瑤子に隠し撮りのビデオテープが届けられ、そこには瑤子が麻生を突き飛ばす瞬間がはっきり映っていた。隠し撮りをしていたのは麻生ではなかった。 逮捕後、容疑者として現場検証に訪れた瑤子は、報道陣の中に、家庭用ビデオカメラで自分を撮影している息子・淳也を発見する。淳也は父親の再婚により母親である瑤子とは今後会わないことを約束したため、思い出として母親の姿をビデオテープに納め、それを数度にわたって瑤子に送っていたのだった。最後の最後でそれを悟った瑤子は、カメラに向かって涙ながらに微笑むのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「破線のマリス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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