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確率分布(かくりつぶんぷ, )とは、確率変数の各々の値に対して、その起こりやすさを記述するものである。 == 概要 == 例えば、「サイコロを二つ振ったときの出た目の和」は確率変数であるが、その分布は次の表のように書くことができる。 すなわち、確率分布は値に確率を対応させる関数ということができる。確率変数がこのように離散的な値しかとらないときは上のような理解で十分である。しかし、例えば「次に電話がなるまでの時間」といった連続的な値をとる確率変数の分布はこのような形では表現できず、測度の概念が必要になる。 「次に電話がなるまでの時間」の分布の一部を表にしたとき、次のようになったとする。 この表だけでは「次に電話がなるまでの時間」を正確に記述しているとはいえない。完全なものにするためには、次の電話が''a'' - ''b''時間後になる確率をすべて記述する必要がある。「次に電話がなるまでの時間」を ''X'' と書くことにすれば、この確率は と書ける。累積分布関数(るいせきぶんぷかんすう , ) ''F''''X'' を で定めれば、 のように、一変数関数で分布を表現できるので便利である。さらに、''F''''X'' の導関数 ''f''''X'' は確率密度関数(または ()) と呼ばれ、確率は積分を用いて と書ける。 通常、連続値をとる確率変数の分布は確率密度関数を用いて記述される。なぜかというと、確率密度関数は初等関数で書けるが、累積分布関数は書けない場合が多いからである。 公理主義的な確率論においては、''d''次元ベクトル値確率変数の確率分布とは、その確率変数の引き起こす像測度のことである。この測度は ''d''次元ユークリッド空間上の確率測度であり、ユークリッド空間の部分集合に対して、確率変数の値がその集合に入る確率を与える関数となる。 単に確率分布というときは、''d''次元ユークリッド空間などのよく使われる可測空間上で定義された確率測度のことをいう。ただの確率測度と違って空間に散らばっている様子がグラフなどの目に見える形で表現できるので「分布」と呼ばれる。 確率論で、確率変数の分布を考えるのは、その変数だけを確率論的な議論の対象にしたい場合である。例えば、確率変数がある値を取る確率や、期待値、分散といった量は変数の分布が分かれば計算できる量である。 逆に分布を考えることによって隠れた変数''ω''と確率変数との対応関係は失われてしまい、他の確率変数との関連性も不明になる。例えば、確率変数''X''と''Y''の分布がそれぞれ''P''''X''と''P''''Y''のように与えられたとしても、ふたつの変数の関連性は分からないので、''X''+''Y'' がある値を取る確率や、積 ''X'' ''Y'' の期待値、''X''+''Y'' の分散といった量は計算できない。このような量を計算したいときは、''X''と''Y''の結合分布が必要となる。 よく使われる確率分布にはそれぞれ名前がついており性質がよく研究されている。このような分布をもつ確率変数に対して研究の結果を利用することができる。例えば、確率変数の分布が平均 0 分散 1 の正規分布だった場合、その変数が 2 以上の値を取る確率は数表から 2.28% である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「確率分布」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Probability distribution 」があります。 スポンサード リンク
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