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真社会性(しんしゃかいせい, )とは、動物の集団のうちで、社会性昆虫などに見られるものを指す言葉である。もともとはこれらの動物に対しても、普通に使われるような、社会的な集団を作る性質の意味で社会性と呼んだのであるが、行動生態学等の進歩の中で、その意味が見直され、新たな概念として提出されたものである。その重要な特徴は、集団の中に不妊の階級を持つことである。 == 概説 == ハチやアリなどのいわゆる社会性昆虫は、その集団の中に女王のような個体、働きアリなどの労働する階級などがあり、古くはそれが人間の社会とよく比較されたが、次第にその異質性が指摘されるようになった。 哺乳類の社会の場合、個体間の体型や体格の差は性的二形を除けば大きいものではない場合が多く、あっても固定的ではない。それに対して、社会性昆虫の場合、明確な体型や体格差が見られ、しかも固定的である。さらに、女王は人間社会に見られるような群れの支配をするという風にも見えるが、それ以上に群れの中で唯一、繁殖を行う個体であるという点でも独特である。 特に女王バチ(アリ)だけが繁殖を行い、いわゆる働きバチ(アリ)が繁殖をしないことに関しては、ダーウィンの進化論が発表された際にも問題となった。というのは、彼の進化論においては、たくさんの子を残した個体が、その個体の子孫に形質を伝えることで進化が行われるとするから、自分の子を持たない働きバチの形質は伝わりようがないからである。これを解決したのが血縁選択説であり、それによって社会性昆虫のありようが進化的に説明可能となった。それと同時に、不妊階級の存在こそが社会性昆虫の特徴であると見なされるようになった。そこで、その面から社会性昆虫に見られる社会性を捉え直したのが真社会性(eusociality)という概念である。この語を最初に用いたのはBatra(1966)で、ハチ目の社会を想定し、親とその娘による共同生活を指したが、後により拡大された内容を持つようになった。この言葉が広まったのにはE・O・ウィルソンの影響が大きい。 社会性昆虫の進化に関する論議や血縁選択説については社会性昆虫や血縁選択説を参照されたい。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「真社会性」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Eusociality 」があります。 スポンサード リンク
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