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社会的入院 (しゃかいてきにゅういん、)とは、入院の本来の趣旨を逸脱して、必ずしも治療や退院を前提としない長期入院を続ける状態のことを指す。 下記に列挙する医療問題、社会問題としての文脈で用いられる用語であり、一般の入院治療とは趣旨を異にするホスピス等のターミナルケアに関しては範疇に含まない。 == 概要 == 入院は本来、病状が継続的な看護または医学的管理を要するために医療機関に留め置く措置であり、病状が快復もしくは安定すれば当然退院し、必要に応じて外来診療に移行することが本来のあり方であるが、医学的観点からは既に入院の必要性が薄いにもかかわらず、患者やその家族の生活上の都合により、事実上の介護の代替策として行われている点が社会的入院の特徴である。 社会的入院は、ホスピタリズムにより精神が荒廃した為に自立生活が困難になるなどの理由で退院後の生活が成り立たないため長期入院に繋がり、長期入院により社会性や生活習慣の衰退という社会問題の側面も持つ。また、家族などの引き取り手に拒否される、自宅で面倒を見られないために惰性的に入院を継続させられている高齢者介護の虐待的問題にまで使用される。 また社会全体の問題として、医療費の増大につながる。日本の年間医療費は2002年(平成15年)度で31.5兆円に達しており、社会の高齢化とともにさらなる増大は避けられないとみられている。社会的入院は医療保険が利用できるため入院者の家族にとって経済的な負担は比較的小さく、あまり抵抗なく利用されがちであるが、総額としての医療費増額に繋がり、公的健康保険の場合は国の負担も増大する。 不必要な入院が招く社会問題としてベッドが満床になるために救急患者を受け入れられず、影響が救急医療にも波及し、「救急難民」を生み出しているという問題もある。大阪市のような大都市でさえ社会的入院患者の増加で救急患者を受け入れられない事態が増えている〔産経新聞2009年1月7日 〕。 OECDは診療報酬の日数払い制度は医療機関の過剰診療をまねくとして、各国に対し、日数制限や包括払い制度の導入など支払い制度の改革が必要だと勧告している。 日本では2000年から、傷病の治療は医療機関で、要介護状態の介護はソーシャルワークで、という考え方から介護保険制度が施行された。また、医療機関に対しては入院が長期に及ぶと診療報酬を減額することで長期入院の抑制が図られた。しかし未だに医療保険入院は、介護保険入院の2倍の病床数を占めている現状である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「社会的入院」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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