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共働(きょうどう、, , )とは、正教会における救いについての概念の一つであり、の訳語。正教会は救いを、神の恩寵と、人の自由意志の共働であると捉える〔カリストス・ウェア p19 -p21 2003〕。 正教会における「共働」は、堕落の結果自由意志が人間から失われているという理解を基本とする西方教会における原罪理解、プロテスタントにおける全的堕落説、カルヴァン主義における予定説とは、前提からして異なっている。 ギリシャ語語彙(古典ギリシア語再建:シュネルギア、現代ギリシア語転写:シネルギア)はキリスト教が伝えられる前の古典ギリシア語でも使われていた語彙であり、共同作業、協力関係などを表す〔"Liddell and Scott's Greek-English Lexicon" p.675 OXFORD 1974〕。ロシア語転写からシネルギヤとも表記される〔。シネルギイと表記されることもある〔世界観-人間:日本正教会 The Orthodox Church in Japan 〕。 西方教会におけるフィリップ・メランヒトン(1497年 – 1560年)等によるもの(, )は「神人協力説」(しんじんきょうりょくせつ)などと訳されるが〔『キリスト教神学事典』350頁、教文館 2005/01 ISBN 9784764240292〕〔小林珍雄『キリスト教用語辞典』141頁、東京堂出版 昭和62年10月15日第12版(初版:昭和29年10月10日) ISBN 4490102224、ただしこの辞典には「共働説」との訳語が先に掲載されている。〕、正教会の共働と、西方の神人協力説との間で、歴史的に直接の関係は無い。正教会では古代・中世・近現代に至るまで、共働にかかる概念理解の伝統が継承されている〔関連する人物としてはエイレナイオス(200年頃致命)、エジプトのマカリオス(4世紀)、エルサレムのキュリロス(4世紀)、神学者グリゴリイ(ナジアンゾスのグレゴリオス)(4世紀)、イオアン・カッシアン(ヨハネス・カッシアヌス)(John Cassian・4世紀)、ニュッサのグレゴリオス(ニッサのグリゴリイ)(4世紀)、エルサレム総主教ドシセオス2世(1641年 - 1707年)、ウラジーミル・ロースキイ(1903年 - 1958年)などが挙げられる。〕。 本項では正教会における共働について詳述する。 == 概要 == 正教会は、罪深い堕落した状態にあってもなお、人には自由な選択の能力があると信じ、救いを、神の恩寵と人の自由意志の共働であると捉える〔。 堕落の結果自由意志まで失われているとのアウグスティヌスの説を正教会は採らない。神学者グリゴリイ(ナジアンゾスのグレゴリオス)は「私たちの力の内にあるものと神の下さった救いが共に必要である」と述べた。人の救いのための神の働きは人間が行うことからは比較にならないほど重要であるが、それでも人自身の神の救いの業への自発的な関与も不可欠であるとされる〔。 共働に関する教えは、人間の働きの側に過大な位置づけをし、異端に導きかねないとする、(主にルター派、カルヴァン主義からの)予想される批判に対して、正教会自身が自らの答えが全てを言い尽くすものではないことを認める。神の恩寵と人間の自由との内的関係は常に人間の把握を超えた神秘であるとされる。こうした人間の把握を超えることを示す聖書箇所としてはローマの信徒への手紙11:33が挙げられる〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「共働」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Synergism (theology) 」があります。 スポンサード リンク
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