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神田の大イトザクラ(しんでんのおおイトザクラ〔この他にも表記は「神田の大糸桜」、「神田の大糸サクラ」、神田の読み仮名を「じんでん」とするものもあるが、本項では北杜市ウェブサイトでの記載表記に合わせた。〕)は、山梨県北杜市(旧北巨摩郡小淵沢町)の大字松向、神田地区に生育しているエドヒガンザクラの巨木である〔村松正人 (1996)、pp.116-117〕〔社団法人山梨林業研究会編 (2001)、pp.68-69〕。 推定の樹齢は400年以上といわれ、1959年(昭和34年)2月9日に山梨県の天然記念物に指定された〔山梨の文化財リスト(史跡・名勝・天然記念物)山梨県庁 、2012年4月24日閲覧。〕〔神田の大イトザクラ 北杜市観光協会 2012年4月24日閲覧。〕〔北杜市ホームページ 北杜市の文化財紹介(11)山梨県指定天然記念物 神田(しんでん)の大糸サクラ 、2012年4月24日閲覧。〕。例年4月中旬から下旬に開花し、周囲にそびえる南アルプスや八ヶ岳の残雪の山々を背景に咲く景観を撮影する写真愛好家でにぎわう。 == 概要 == 神田の大イトザクラは、山梨県北西部の八ヶ岳南麓、旧小淵沢町大字松向(しょうこう)神田(しんでん)地区の、標高約820メートル付近の棚田の畦に生育しており、田んぼの真ん中に位置する見晴らしの良い一本桜の名木である。樹種はエドヒガンの変種と言われ、幹囲7.5メートル、樹高9メートル、東西の枝張り20メートル、南北の枝張り20メートルと、枝張りが四方へ傘のように広がり、枝垂れた枝先が下垂した美しい樹形をしている。枝垂れ桜では山梨県内で最も大きなものである〔〔。 八ヶ岳南麓の標高約1000メートル付近には、名水百選である八ヶ岳南麓高原湧水群(大滝神社の湧水、三分一湧水、八衛門出口など)の湧水帯が東西に連なり、これらの湧水を利用した水田開発が中世以降から旧小淵沢町地区では盛んになり、神田の大イトザクラのある神田(しんでん)地区も、古くからこうした湧水を利用した稲作が行われている〔山梨郷土研究会編 (1999)、pp.18-19〕。神田の大イトザクラは、かつて神社への供米を作付けしていた神田の畦に、御神木として植えられたものと伝わっており、暦の無かった時代に、この桜の開花は農作業の開始を知らせる指標としての重要な役目も持っていた。また、桜の咲き具合から、その年の農作物の出来も占われ、「花が一斉に咲く年は豊年なり」と、神田地区では言い伝えられている〔〔。 1959年(昭和34年)に山梨県の天然記念物に指定されたが、当時は地元の人間以外にはあまり知られておらず、1975年(昭和50年)に刊行された水上勉の『わが草木記』(光風社書店版)では、巻頭の口絵に神田の大イトザクラが使用されたが、口絵の紹介文には神田の大イトザクラの固有名はなく、山梨県小淵沢町付近とのみ記載されていた〔20ページに記載。2012年4月24日閲覧。〕。 中央本線の長坂駅-小淵沢駅間の線路から北へ約150メートルに位置しており、開花期には列車の車内からも、サクラを見ることができる。今日では、山梨を代表する桜の一つとして知られ、多くの観光客や写真愛好家が訪れている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「神田の大イトザクラ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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