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神聖隊(しんせいたい)ヒエロス・ロコス(〔ラテン翻字:〕)は、紀元前378年に将軍ゴルギダスが結成した古代ギリシア・テーバイ(テーベ)の、ギリシアで最強と謳われた精鋭歩兵部隊である。古代ギリシャにおいてテーバイはエリスとならび、男性の同性愛がもっとも行われた都市だった〔アテナイ哲学者クセノフォンによればテーバイでは成人男性が少年と一緒に住んでおり、それはまるで「結婚した市民のよう」だったという。この風潮はおそらく古代クレタの風習の名残だと考えられている。cf. Louis Crompton, ''Homosexuality & Civilization'', Harvard University Press, 2006, p. 77.〕。テーバイが位置する中部ギリシャ・ボイオチア地方では、少年愛で知られたヘラクレス崇拝がさかんだった。アリストテレスの失われた著作には、ヘラクレスの甥であり、従者、愛人であったイオラウスの墓所に関する描写があるが、そこは古代テーバイの男性同性愛者のカップルが互いの愛を誓い合う場所として利用された。プルタルコスは「神聖隊」の呼称はこの風習に由来すると考えている。 スパルタを破ったレウクトラの戦い等で活躍し、紀元前4世紀のテーバイのギリシア覇権確立に大いに貢献したこの部隊は、150組300名の男性の恋人同士によって編成されていたという。なぜ男性同士のカップルから成っているかというと、愛する相手に惨めな姿を見せようとせず、かつ恋人を守って戦うだろうとの想定のもと設立されたためである。彼らは国費で養われ、平時は専ら訓練に励んでいた。 テーバイがギリシアの覇権を失った後もこの部隊は存続していたようであるが、紀元前338年のカイロネイアの戦いでマケドニア王子アレクサンドロス(後のアレクサンドロス大王)率いる騎兵部隊との交戦で254人が戦死するという壊滅的打撃を受け、それ以後結成されることはなかった。カイロネイアで勝利したマケドニア王ピリッポス2世は彼らの亡骸を見て涙を流し、彼らを讃えたという。 近代以降、ギリシア陸軍において何度か編成された精鋭部隊の「神聖中隊」という隊名は、この神聖隊の名に由来すると言われている。 == 註 == 〔 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「神聖隊」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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