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福岡県豊前方言(ふくおかけんぶぜんほうげん)とは、福岡県の旧豊前国にあたる地域で話される日本語の方言である。以下では、「豊前」を「福岡県内の豊前」の意味で用い、大分県北部の旧豊前国地域は含まない。 豊前方言は九州方言の豊日方言に属し、他の九州方言に比べると本州の方言に近い。福岡県内には他に筑前方言と筑後方言があるが、筑前・筑後方言は肥筑方言に属し豊前方言とはかなりの違いがある。ただ筑前方言との境界は、豊前・筑前の国境より西にずれており、筑前北東部(筑豊嘉飯山地区・直鞍地区)には豊前方言的な特徴が聞かれる。そのため本項では豊前の方言を中心に、筑前北東部の方言も扱う。 豊前方言では九州方言の特徴が薄れがちであるが、それでも動詞の二段活用や能力可能を表す「きる」などの九州方言らしい特徴を持っている。なお北九州市は豊前と筑前にまたがっており、市内の東西でも方言が違う上、中国方言からの影響も濃い〔平山ほか編(1997)、42頁。〕〔飯豊・日野・佐藤編(1983)、66-67頁。〕。 == 発音 == ;連母音の融合 :連母音の融合がある。主に豊前南部で、連母音「ai」が「eː」になり、連母音「oi」「ui」が「iː」に変化する。豊前全体・筑前東部でも、形容詞や助動詞の末尾では、「赤い」→「あけー」、「行くまい」→「行くめー」のような変化が起きる。 ;「て」の口蓋化 : 助詞の「て」は、豊前南部では「みちぇ」(見て)のように「ちぇ」になり、豊前北部や筑前東部では「ち」になる。また引用の助詞「と」も「ち」になる。 ;撥音化 :他の九州方言と同じく、ナ行音やマ行音が撥音化する傾向があり、特に豊前南部で著しい。 :おん(鬼) ;促音化 :南部では促音化も盛んで、動詞語尾「る」が文中に来た場合に促音化するほか、「る・り・き・つ」で終わる語が文中で促音化する(例)はっが(針が)など、促音化の例は多い。 ;狭母音化 :南部に、母音「a」が「o」に、「o」が「u」になる狭母音化がある。 ;開合の区別 :南部では、共通語で「oː」のものが「oː」の場合と「uː」の場合の二通りある。これは九州全体に見られる開合の区別で、かつて連母音「au」だったものは「oː」になって共通語と同じだが、「ou」「eu」だったものは「uː」になっている。(例)「ゆーじん」(用心)、「いっしゅー」(一升)。 ;古音 :「つ」の発音としてが残っている。ただ、「づ」と「ず」などの四つ仮名の区別はない。 :「トゥノ」(角)、「マトゥリ」(祭り) ;アクセント :アクセントは外輪東京式アクセントで、東京で「うが」のように尾高型で発音される二拍名詞二類の語が、豊前では「う」のように平板型になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「福岡県豊前方言」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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