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福祉国家(ふくしこっか )は、国家の機能を安全保障や治安維持などに限定(夜警国家)するのではなく、社会保障制度の整備を通じて国民の生活の安定を図ること。広義には財政政策や雇用政策を含める場合もある。 「福祉国家」の語は、1928年にスウェーデンの社会大臣グスタフ・メッレル(Gustav Möller)が選挙パンフレットで用いたほか、英語圏ではイギリスのウィリアム・テンプルが『市民と聖職者』(1941年)のなかで言及している〔新川他、2004年、166頁〕。特に第二次世界大戦中にはイギリスが、連合国を「福祉国家」、枢軸国を「戦争国家」(英:Warfare State)と政治宣伝した。 福祉国家論(ふくしこっかろん)は、福祉国家の形成、発展、変容の要因に関する研究のこと。オイルショック以後の「福祉国家の危機」に対する各国の対応が一様でなかったことから、福祉国家の多様性が意識されるようになり、福祉国家論が発展する契機なった。特にイエスタ・エスピン=アンデルセンが福祉国家に代わる新しい概念として福祉レジーム論を提起し、社会保障政策の特徴やグローバル化への対応の多様性を政治的イニシアティブや経済レジームとの連関で論じた。 ==歴史== イギリスの社会学者リチャード・ティトマスは、第二次世界大戦後の福祉国家研究において各国の制度的違いに注目し、福祉国家を、①残余的(救貧的)モデル、②産業的業績達成モデル、③制度的再配分モデルという三つに分類することを提唱した。①の残余的福祉国家とは、家族あるいは市場がうまく機能しなかったときにのみ、国家が福祉の責任を引き受けるというモデルである。②は経済成長を優先するモデルで、そのために社会福祉は存在するし、経済成長すれば社会福祉も充実するとする。③の制度的再分配福祉国家は社会の厚生にとって重要なすべての分配領域に福祉の責任を広げるモデルである。この分類では、①が最も市場的で、③が最も公的な介入が大きいことになり、アメリカなどが①、ドイツやフランスが②、北欧などが③にあたると考えてよい。〔真野俊樹、入門 医療政策、中央公論新社刊、2012年、94頁。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「福祉国家論」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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