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科学主義(かがくしゅぎ、scientism)という表現は、基本的には、いくつもある知のあり方の一つである(あるいは、一つにすぎない)「科学」が、「科学」にふさわしい領域を越えて適用されうるというやり方、しようとするやり方について、不当な拡大適用だ、として批判的に指示する表現である〔『岩波 哲学・思想事典』「基本的には,<知>の一定のあり方を<科学>として了解することを前提にして,それが<科学>の領域を越えて適用されるという行き方について,不当な拡大適用だとして批判的に指示する表現である」〕。 科学万能主義や科学教と呼ばれたり、思い込みの強さ・教条主義的・狂信的であることをはっきり表すために科学原理主義、科学崇拝などと呼ばれることもある。 == 概要 == フリードリッヒ・ハイエクやカール・ポパーなどが、多くの科学者が根底に持つと彼らが考えた態度を指すために用いた。彼らは次のような二つの異なる批判的な意味でそれを用いる傾向があった。 *科学を当てはめるべきではないような文脈において科学的な権威を用いていること、を明示するため。 *自然科学の手法、自然科学で認められたカテゴリーや概念が、哲学など他の探求分野でも唯一の適切な要素であるという信念(思い込み)。 グレゴリー・ピーターソン(:en:Gregory R. Peterson)は現代の学者がどのような意味で科学主義という言葉に言及しているのかを概説し、二つの大きな用法を特定した〔"Peterson, Gregory R. (2003), ''Demarcation and the Scientistic Fallacy.'', ''Zygon: Journal of Religion and Science'' 38 (4), 751-761. doi: 10.1111/j.1467-9744.2003.00536.x"〕。 *あたかも、科学は全ての現実と知識を記述できる、とでもするような見方、あるいはあたかも現実の性質にかんする知識を得るための唯一の妥当な方法であるかのように見なす見方、を批判する用法。 *ある一つの科学分野の理論や方法が、他の異なる分野(それが科学分野であれ科学以外の分野であれ)に不適切に用いられていることを指摘する用法。 第二の用法は、(「人間の価値」というのは、伝統的に倫理学の領域であるのだが)その「人間の価値」を測る唯一あるいは主要な源として科学を見なそうという試み、また(伝統的に「意味」や「目的」というのは、宗教あるいは(哲学的)世界観の領域であるのだが)その「意味」や「目的」を測るために科学を用いようとする様々な試みを指すために使用される。 『科学と宗教の百科事典』の著者マイケル・ステンマルクによると、科学主義と呼ばれる立場は、多くの形態と様々な程度を持っており一様ではないが、"科学の(中でも自然科学の)境界が、以前は科学の範疇だと考えられていなかった問題にまで拡大できる、または拡大されるべきだ"、としているところは共通している、とのことである。最も極端な形の科学主義は、全ての人類の問題と、人類の試みの全ての側面への対処と解決が、科学"だけ"でなしうるとする信仰である。このような観念は「進歩の神話(:en:Myth of Progress)」とも呼ばれている。ステンマルクは科学主義の同義語として、scientific expansionism「科学拡張主義」という語を提案した。エルンスト・シューマッハはこのタイプの科学主義というのは、人間の価値についての問いかけの有効性をすっかり否定してしまうような、不毛な世界観だと批判した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「科学主義」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Scientism 」があります。 スポンサード リンク
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