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カーゴ・カルト()とは、主としてメラネシアなどに存在する招神信仰である。いつの日か、先祖の霊・または神が、天国から船や飛行機に文明の利器を搭載して自分達のもとに現れる、という現世利益的な信仰である。直訳すると「積荷信仰(つみにしんこう)」。「海の向こうから神が豊穣をもたらす」という信仰自体は、日本のまれびと信仰、琉球のニライカナイ信仰など、アジアの島嶼地域の信仰としては普遍的なものであるが、近代文明の捉え方について独特の形態をとることが特徴である。 近代まで文明の利器を知らなかった現地人は西洋人が持ち込んできた工業製品に対して、これは当地の先住民のために神が作ったものであり、白人は神と特別な繋がりを持って不当にそれらを占有したのだ、と考えた。 したがって、カーゴ・カルトでは、白人達の振る舞いと同じような儀式を行うことで「白人」の影響を打ち破り、先祖が自分達を認識し白人にではなく自分達に積荷を送ってくれるようになる、とされている。また、白人は先祖が姿を変えたものだ、という理解もある。 == 概要 == 特徴は呪物崇拝としての文明の模倣である。かつて積荷が運ばれて来たときの状況(太平洋戦争時のアメリカ軍の装備や振る舞いなど)を再現して、滑走路もどき、空港もどき、事務所もどきなどの模倣施設を作り、ココナッツと藁で作ったラジオもどきなどの模倣品を作り、さらには島民自身が軍人、船乗り、航空兵の行動を模倣した〔医学都市伝説: カーゴ・カルト運動50周年記念日 〕。またライフルに見立てた小枝を持ち、階級章の絵や「USA」という文字列などをボディペインティングし、「訓練」や「行進」をこなした。木を削って「ヘッドホン」を作り、それを着けて「管制塔」に座り、「滑走路」に立ち「着陸信号」を振り、「滑走路」をたいまつで照らし狼煙を上げることもした。類感呪術型カーゴ・カルトでは、より多くの飛行機を呼び寄せることを期待して、藁で飛行機の実物大模型を作り、新しい軍用滑走路もどきも作られた。作られた飛行機はメスなので、これでオスの飛行機が誘われて来るとも考えられた。 カーゴ・カルトに熱中する余り、島の人々の中には模倣施設や運ばれてくる積荷用の倉庫の建設にかまけ、農耕・出漁を放棄した上、莫大な富がもうすぐ現れる、という確信のもとに豚などの蓄えを惜しげもなく消費したり、今までの財品は邪魔になると考えて食料や犬の歯などおよそ財産と考えられる物は捨ててしまうこともあった。 このほか、予知夢によって、いつどこから積荷がやって来るかが予言されることがままあった。予言を語る際は痙攣や踊りを伴う。 カーゴ・カルトはメラネシア各地で断続的に発生してきたが、特にニューギニア島で頻発した。北東部の、東部のヴァイララ狂信などである。小規模なカーゴ・カルトは西部のアスマット族やダニ族などに見られた。 カーゴ・カルトによってそれまで存在していた宗教習慣(精霊信仰)は急変した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「カーゴ・カルト」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Cargo cult 」があります。 スポンサード リンク
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