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穴どろ(あなどろ)は古典落語の演目の一つ。原話は、嘉永年間(1848年~1854年)に出版された笑話本・「今年はなし」の一遍である『どろ棒』。 主な演者には、8代目桂文楽や林家彦六、5代目古今亭志ん生などがいる。3代目春風亭柳好が最期に演じた噺。 == あらすじ == 大晦日。掛取りに払うお金がなく、金策に走り回っている男が一人…。 如何がんばっても埒が明かず、家に帰った途端におかみさんから罵倒された。 「あんたなんか、豆腐の角に頭をぶっつけて死んでおしまい!!」 頭にきて家を飛び出し、何かいい手は無いかと思案をしているうちに、やって来たのは浅草の新堀端あたりの商家の前。 二階の窓ががらりと開き、誰かが降りてきた…。 「泥棒か? 泥棒だったらとっ捕まえて、お礼を手に…違うな。若い衆が女郎買いに出かけるんだ」 立てかけた大八車をはしご代わりに、天水桶から地面へと飛び下り闇の中へと消えていく。 「へー、見事に降りられるんだな…」 感心している男の耳に…悪魔のささやきが響き渡った。件の道を逆にたどり、まんまと二階に潜り込む。 「三両だけ盗ませてもらい、稼いで金ができたら、菓子折りでも下げて返しにこよう」 明かりが射しているので階下をのぞくと、祝い事でもあったのか、膳部や銚子が散らかったままだ。 丁度腹の減っていた男は、足音を殺して一階に降りると、残り物を肴に酒をガブガブ。 しばらく飲んでいるうちに、小さな子どもがチョロチョロ入ってきた。 元々子煩悩だったこの泥的。抱いてあやしているうちに、火鉢につまずき、その拍子で土間の穴蔵に落っこちた。 「何だ? 物凄い音がしたぞ…?」 物凄い音に店の者が起き出し、穴蔵に落ちたのは誰か、と聞くと『泥棒だ!!』と大騒ぎ。そのうち主の幸右衛門が出てきて…。 「祝いの後に縄つきを出したくありません。泥棒とはいえ、まだ何も盗ってないようだから穴蔵から引きずり出した上、厳重に説諭して見逃してあげましょう」 その『引きずり出す』役目を仰せつかったのは、鳶の頭で《向こう見ずの勝つぁん》と言う異名を持つ男。 この男、身体中彫り物だらけでいかにも強そうだが…。 しかし、穴蔵の中は真っ暗で、相手がどんなやつかも分からないのでなかなか降りられないため、とりあえず一発虚勢をかます。 「おい、泥棒!! 今から降りていくから、覚悟しやがれ!!」 「何を!? 下りてくりゃ、てめえのふくらはぎ、食らいつくぞ!」 「旦那ァ…アタシは…ふくらはぎだけは脆いんです…。え? 一両くれる? やい、泥棒、観念しろ!!」 「現金なやつだなぁ。もし降りてきたら、てめえの急所にぶら下がって、ねじ切るぞ!」 「ええ、旦那ァ…アッシの急所はちぎれたらそれまでなんですよ…。やっぱりお役人の方が…。二両に値上げ? やい、泥棒! 旦那が俺に二両下さるからな!!そのうちの一両やるから上がってきて下さい…」 「てめぇのほうこそ下りてこい。てめえの喉笛ィ食らいつくから!」 「だんな、あっしはごめんこうむって…。三両に値上げ?やい、泥棒!!今度は三両下さるんだ!!俺はもう絶対降りていくからな!!」 これを聞いた泥棒、「えっ、三両ならこっちから上がっていこう」。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「穴どろ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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