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光洋丸(こうようまる)は、日本の石油タンカーである。1926年に日本で最初のタンカー爆発事故を起こした。後に第三小倉丸(だいさんおぐらまる)と改称し、太平洋戦争中には日本海軍に使用されたが、1944年にアメリカ海軍潜水艦により撃沈された。 == 船歴 == 本船は、1916年(大正5年)12月20日、グラスゴーにあるバークレー・カール社(Barclay Curle & Co Ltd, en)の造船所で、貨物船として進水した。竣工後、「ライムリーフ」(SS Limeleaf)、「カリフォルニア」(SS California)などと名前を変えつつ、船主を転々として運航された。ブリティッシュ・モラセス社(British Molasses Company、後にユナイテッド・モラセス社、アセルライン社と改名)が「アセルリル」(SS Athelrill)として所有しているときに改装工事を受けて、糖蜜用タンカーになり〔松井(1995年)、13頁。〕、燃料も石炭から重油に切り替えている。元貨物船であるため、船尾機関が主流のタンカーの中で、珍しく中央に機関部のある船型となった。 1926年(大正15年)8月に、本船はユナイテッド・モラセス社から70万円で売却され、小倉石油と岸本汽船の共同所有となった〔。「光洋丸」と改名した本船は、石油タンカーとして使用されることになった。第一回の石油輸送任務として、アメリカ合衆国産の重油約8300トンを横浜港へと運搬した〔『重油船光洋丸爆発の件』、画像3枚目。〕。 1926年9月13日午後0時40分頃、第一回の石油輸送を終えた「光洋丸」は、横浜船渠の艤装場に係留してタンク計測作業中、爆発事故を起こした。重油タンクのうち後部7番・8番タンクで爆発があり、船体の外板が壊れ、火災を生じた〔『重油船光洋丸爆発の件』、画像10-12枚目。〕。本船には水蒸気をタンクに送りこんで酸素供給を絶つ方式の消火装置が備わっていたが、爆発により破損して機能しなかった〔『重油船光洋丸爆発の件』、画像14枚目。〕。消防隊は左舷水線下に穴を開けてタンクに注水・消火しようとしたが、船体が右舷に傾斜したため穴が水面上に出てしまい、うまく注水できなかった。そのうち前部6番タンクも爆発し、石炭庫にまで延焼した。同日午後11時半頃にほぼ鎮火した〔。犠牲者数は、9月16日時点で作業員12人死亡・9人重傷・17人軽傷となっており〔『重油船光洋丸爆発の件』、画像4枚目。〕、松井(1995年)によれば死者13人とされる〔。事故の原因については、荷揚げ後に空となった重油タンクが日光により温度上昇し、気化した重油が自然発火したと推定された(事故直後の会社側見解)〔。この爆発事故は、日本で起きたタンカーの爆発事故として史上初の事例であった〔。 事故後、4ヶ月間の修理で「光洋丸」は復旧した。1927年(昭和2年)1月中旬から、北米航路に再就航している〔。1934年(昭和9年)には、「第三小倉丸」と改称した〔松井(1995年)、16頁。〕。1939年(昭和14年)までには小倉石油の単独所有となっている〔。本記事要目表掲載の画像は「第三小倉丸」時代の1939年-1941年に撮影されたもので、舷側に描かれた日章旗は、第二次世界大戦参戦前で中立の日本船籍船であることを示している。 太平洋戦争が勃発すると、「第三小倉丸」は日本海軍の徴用を受け、特設運送船となった。後方での重油輸送に従事したが、1944年(昭和19年)2月23日にハルマヘラ島沖付近でアメリカの潜水艦コッドの魚雷攻撃を受けて沈没した〔Cressman, Robert J., ''The Official Chronology of the US Navy in World War II'', Annapolis: MD, Naval Institute Press, 1999, Chapter VI .〕。乗員18人が戦死した〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「光洋丸」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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