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有明海(ありあけかい)は、九州北西部にある海。福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県に跨る九州最大の湾である。日本の湾の中でも干満の大きさ・流入河川の多さ・塩分濃度の変化・濁った海域・日本最大の干潟・独自の生物相などを特徴とする。 ==地理== 面積は約1,700km²で、鹿児島湾、東京湾、大阪湾より大きく、伊勢湾とほぼ同じ大きさである。 宇土半島と天草諸島を挟んだ本渡瀬戸・柳ノ瀬戸・三角ノ瀬戸の三つの海峡で八代海と接し、天草下島と島原半島の間の早崎瀬戸で天草灘と接する。湾内西部にはさらに諫早湾(泉水海)がある。入り口に近い部分は島原湾とも言う。一般的には海域全体を有明海と呼ぶことが多いが、国土地理院は海域の北半分を「有明海」、南半分を「島原湾」としているほか、海上保安庁などでは海域全体を「島原湾」と呼ぶことがある。1993年(平成5年)の環境庁告示(2000年(平成12年)改定)によれば、「熊本県宇土郡三角町と天草郡大矢野町を結ぶ天門橋、同町と天草郡松島町を結ぶ大矢野橋、同町中の橋、前島橋、松島橋、本渡市瀬戸大橋、天草郡五和町シラタケ鼻と長崎県南高来郡口之津町瀬詰埼を結ぶ線及び陸岸により囲まれた海域」を「有明海および島原湾」の範囲としており、両者の境界は定義されていないが、長洲港と多比良港を結ぶ線を境界とする見方もある〔排水基準を定める省令別表第二の備考6及び7の規定に基づく窒素含有量又は燐〈りん〉含有量についての排水基準に係る海域 環境庁〕〔有明海はなかった 有明海・不知火海フォーラム島原開催に寄せて6 米本慎一〕。 最深点は湾口部・湯島西方で水深165mに達するが、平均水深は約20mほどで、全体的に遠浅の湾である。湾奥には諫早平野、筑紫平野(佐賀平野、筑後平野)、菊池平野、熊本平野といった沖積平野が広がる。 潮の干満差が大きく、湾口の早崎瀬戸で平均3-4m、湾奥の大浦港(佐賀県太良町)で平均5mであり、最大で約6mに達する。干満差が大きくなる原因は、有明海の場合は潮汐による海水の動き(潮汐振動)と湾の形状に左右される海水の動き(固有振動)が似通っていて、共振が発生しているためと考えられている。このような条件が揃う湾は世界的に見てもそれほど多くない。 流入河川は九州最大の川である筑後川をはじめ、本明川、鹿島川、塩田川、六角川、嘉瀬川、矢部川、諏訪川、菊池川、白川、緑川などがある。流入河川の流域面積は合計で約8,000km²で、海域面積の5倍近くにも上る〔第2章 有明海・八代海干潟等沿岸海域の現状と変遷・課題 熊本県、「有明海・八代海再生に向けた熊本県計画」、2007年5月9日。〕。これらの河川によって湾内の塩分濃度が低下するうえ、多量の堆積物、デトリタス、無機塩類も供給される。特に夏の湾奥部では海域の表層部に淡水域が形成されることがある。干満が大きいので一日のうちでも塩分濃度が大きく変化する。 川から運ばれた土砂は海の干満によって激しくかき混ぜられ、干潮時に堆積、満潮時に侵食されることを繰り返しながら沿岸各地で広大な干潟が成長する。湾奥部では海水に泥が多く混じり濁る。また、干潟の泥には水に含まれるリンや窒素などを吸着・沈殿させる浄化作用があるほか、栄養分が多いことから田畑の肥料としても用いられた。 干潟は大潮の干潮時で約188km²〔に達し、日本全体の干潟の約4割に相当する。南部の熊本県・島原半島沿岸は砂質干潟だが、奥に行くほど泥の割合が多くなり、諫早湾や佐賀県・福岡県沿岸は多くが泥質干潟となる。筑後川河口や緑川河口においては、干潮時には海岸から約6km沖まで干潟が出現する。土砂の供給源である大規模河川は湾の北側・東側に多いので、干潟もこの地域で広い。鹿島市や小城市には干潟を利用した公園があり、春から秋にかけて泥遊びを楽しむこともできる。鹿島ガタリンピックという、泥んこ運動会も開催されている。 沿岸部の気候は太平洋岸気候に属するものの、四方を山に囲まれた盆地状の地形も影響し、1日の気温差が大きく晴れの日が多い瀬戸内式気候に近い。また湾内の水温も日ごと・季節ごとの変動が大きく、湾奥部の水温は2月で8-9℃、8月で30℃になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「有明海」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ariake Sea 」があります。 スポンサード リンク
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