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粘菌コンピュータ : ミニ英和和英辞書
粘菌コンピュータ[ねんきんこんぴゅーた]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

粘菌コンピュータ : ウィキペディア日本語版
粘菌コンピュータ[ねんきんこんぴゅーた]

粘菌コンピュータ(ねんきんコンピュータ)とは、粘菌の性質を利用したコンピュータである。中垣俊之北海道大学・電子科学研究所准教授)や原正彦東京工業大学・総合理工学研究科教授)など複数のチームによって研究が進められている。
== 概要 ==
ある種の粘菌には「餌を求め、餌と餌の最短距離をつなぐ形に変形する」「光を嫌い、光を当てることで任意の形に変形できる」性質があることを利用し、光や餌を「入力」、形を「出力」とみなしてコンピュータとして利用する。
例えば、粘菌を迷路の中に設置しその迷路の端と端にえさを置くと、粘菌は一旦は迷路全体に管を広げるが、最終的には餌と餌の最短距離をつなぐ管のみを残し、それ以外の部分は衰退させてしまう。また、餌との道筋に光の当たる部分を作ると、粘菌は光のあたる部分がなるべく少なく、かつ粘菌全体の管の長さもなるべく短いような経路を取る。最終的に形成された形は迷路問題(一種の組合せ最適化問題)の解であるとみなせる。こういった粘菌の性質を利用して、巡回セールスマン問題をはじめとする現在のコンピュータでは解くことが困難な問題を解決することが期待できる。
また、粘菌は同じ実験でも場合によって異なった経路を取るが、この時に粘菌がネットワークを作成する過程を発展方程式を用いて数理モデル化することで、正確な答を一つだけ出すことしかできない現在のコンピュータとは違い、一つの問題に複数の答えを出せるような「柔軟な発想」のできるコンピュータの開発に生かせることが期待できる。
中垣らはこの研究によって2008年度のイグノーベル賞を受賞している。また、原らの率いる理研の研究チームは、粘菌コンピュータの回路の設計を2007年より開始している。中垣の研究は、2008年4月にニュー・サイエンティストのサイトで「Mouldy computers」として取り上げられ〔Ten weirdest computers 〕、原の研究は、2007年に日本経済新聞に取り上げられた〔2007年3月19日付、科学面〕。
エサとエサの間に伸びる粘菌をコンピュータ扱いすることは一見しょうもないが、粘菌のような単細胞生物が迷路を解決する「知能」を持つという、生物が進化の過程で獲得した、あるいは未来のコンピュータが獲得すべき「知性」の根源に迫るカギとされており、バイオコンピュータへの応用を目指して研究が進められている。ちなみに中垣によると、モジホコリのエサはオートミールが好物とのこと。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「粘菌コンピュータ」の詳細全文を読む




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