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結合係数(けつごうけいすう、)は、変圧器(トランス)の一次巻線と二次巻線との結合の度合いを示す無次元数である。記号では''k'' で表し、0以上1以下の値をとる。この値が1に近い変圧器を密結合変圧器(または単に変圧器)という。通常の密結合変圧器の結合係数は''k'' = 0.995程度の値を有する。この値が1よりも十分に小さい変圧器を磁気漏れ変圧器という。磁気漏れ変圧器の定義は難しいが、一般に''k'' = 0.98以下であり、磁気漏れを積極的に利用するようにしたものが磁気漏れ変圧器あるいは共振変圧器として使われる。 == 結合係数の意味 == 結合係数は言い換えれば変圧器の一次側・二次側それぞれの自己インダクタンスのうち、何割が変圧器として働き、何割がチョークコイルとして働いているかを表す係数であるといえる。 理想的な変圧器の磁束は全て主磁束〔一次巻線と二次巻線の双方に鎖交する磁束。変圧器の変圧作用を構成する磁束。〕で構成され、漏れ磁束〔一次巻線または二次巻線のいずれか一方だけに鎖交する磁束。変圧作用に寄与しない磁束。漏れインダクタンスを構成する。一次巻線のみに鎖交する磁束を一次側漏れ磁束という。二次巻線のみに鎖交する磁束を二次側漏れ磁束という。〕がない。この場合の結合係数''k'' = 1である。しかし、実際の変圧器では漏れ磁束があるので、結合係数は1よりも小さくなる。そして、この漏れ磁束が変圧器の一次側、二次側にそれぞれ直列に接続されたインダクタンスになる。これが漏れインダクタンス〔漏れインダクタンスには学会定義のものと工業会測定法で定められるものとがある。それぞれ示す値は異なる。〕である。漏れインダクタンスは変圧器の一次巻線または二次巻線に直列に接続されたチョークコイルと等価な働きをする。 一次巻線、二次巻線の自己インダクタンスをそれぞれ''L''1、''L''2 、一次側、二次側の有効インダクタンス(励磁インダクタンス)〔二次側励磁インダクタンスというものは実際には存在しないので計算上において便宜的に扱われるのみである。〕〔二次側有効インダクタンスというものはある。結合しているので、一次側か二次側の一方しか記載しない。〕をそれぞれ''M''1 、''M''2 とすれば次の式が成り立つ。 : : 漏れインダクタンス〔学会定義のもの。〕は、等価回路においては一次側漏れインダクタンス''L'' e1 、二次側漏れインダクタンス''L'' e2 として表される。 : : つまり、変圧器として働くのは全巻線の自己インダクタンスのうちの''k'' 倍である。例えば結合係数''k'' = 0.7 として、一次巻線の自己インダクタンスが''L''1 = 1 H ならば、変圧器として働く有効インダクタンスは''M''1 = 700 mH であるということになる。そして残りの部分 300 mH は漏れインダクタンスになる。これは二次巻線側においても同じことが言える。 一次巻線側、または二次巻線側にインピーダンス変換した漏れインダクタンスは''L'' e1 、''L'' e2 とも同じ値になる。また、結合係数は一次側から見ても二次側から見ても同じ値である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「結合係数」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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