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crystal water =========================== ・ 結晶 : [けっしょう] 1. (n,vs) crystal 2. crystallization 3. crystallisation
結晶水(けっしょうすい)は、ホストとなる分子やイオンと共有結合を作らずに結晶中に含まれる水の分子を指す。この語は化学量論と構造の関係が良く理解されていなかった時代に作られたものであり、現代の構造無機化学では既に廃れている。それでもなお、結晶水の概念は広く普及しており、適切に用いれば有用なものである。水または水分を含んだ溶媒から結晶化を行うと、多くの化合物は結晶格子の中に水を取り込む。「ゲスト」となる水分子との間に強い結合を形成しなくとも、ある化学種が水の存在下でないと結晶化しないということもしばしばある。 古典的には、「結晶水」は金属錯体の結晶格子中に存在するが、金属イオンと直接結合していない水分子のことを指す。「結晶水」が他の原子やイオンと結合もしくは他の相互作用をしていることは明らかであり、そうでなければ結晶格子に取り込まれないはずである。塩化ニッケル(II) 六水和物を例として説明する。この化合物は化学式 NiCl2(H2O)6 で表される。分子構造を研究した結果、その結晶は互いに水素結合した サブユニットと、独立して存在する2分子の水からなることが明らかにされている。すなわち、水分子のうち3分の1は Ni2+ と直接結合しておらず、「結晶水」と呼ばれる。 無機化合物と比べ、タンパク質は通常より多くの水を結晶格子中に取り込む。50%の水が含まれることも珍しくない。水和殻が拡張されていることから、タンパク質のX線結晶構造解析を行う者たちは、結晶での構造は溶液中でのコンフォメーション(立体配座)とそれほど大きく異なることはないだろう、と考えている。 ==水和物(hydrate)== 結晶水を持つ塩は水和物として知られる。水素結合が存在することによって高次構造が形成されるため、水和物の構造は非常に複雑である。歴史的に多くの水和物の構造は未知であったため、化学式中では水分子の結合様式を省き、点を使って組成を示した。以下に例を挙げる。 *CuSO4•5H2O — 硫酸銅(II) 五水和物 *CoI2•6H2O — ヨウ化コバルト(II)六水和物 *SnCl2•2H2O — 塩化スズ(II) 二水和物 20世紀後半から最も一般的な水和物の構造は結晶学によって明らかにされ、点を用いた組成式は廃止されつつあるが、単純化のために利用されることもある。溶液にすれば離れてしまうので、多くの塩では水の結合様式は重要ではない。例えば CuSO4•5H2O と無水の CuSO4 から調製した水溶液は同じである。ゆえに、水和の度合いは化学当量を決定するときのみ考慮される(1モルの CuSO4•5H2O は1モルの CuSO4 より重い)。一方で、水和の量が化学的性質に大きな影響を及ぼすこともある。例えば無水の塩化ロジウム(III) RhCl3 はほとんど水に溶けず、有機金属化学では役に立たないが、RhCl3•3H2O は多様な用途を持つ。また、塩化アルミニウム AlCl3 の水和物はルイス酸としては弱く、フリーデル・クラフツ反応に使うことができない。従って AlCl3 の試薬は水和物の形成を防ぐため空気中の湿気を避けて保存する必要がある。 硫酸銅(II) 五水和物はカチオン 2+] と結合したアニオン SO42− からなる。銅イオンは2つの別の硫酸イオンからの酸素原子と4個の水分子、計6個の酸素原子によって囲まれている。5個目の水分子は結晶格子中の離れた場所にあり、銅イオンとは直接結合していない。ヨウ化コバルト(II) は2+ と2個の I− として存在する。塩化スズ(II) では、Sn中心は三角錐型で(O/Cl−Sn−O/Cl の平均角度は83°)、2個の塩化物イオンと1個の水分子が結合している。2個目の水分子は塩化物イオンおよび配位している水分子と水素結合している。 結晶水は静電気的引力によって安定化されるため、+2価や+3価のカチオンや−2価のアニオンを含む塩に多く見られる。ある化合物の重量の多くを結晶水が占めることもあり、グラウバー塩(芒硝、硫酸ナトリウム十水和物) Na2SO4•10H2O は重さの50%以上が水である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「結晶水」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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