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美幾 : ミニ英和和英辞書
美幾[みき]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [び]
  1. (n,n-suf) beauty 
: [ほとほと]
  1. (adv) quite 2. greatly

美幾 : ウィキペディア日本語版
美幾[みき]
美幾(みき、1836年 - 1869年8月12日)は、江戸時代末期 - 明治時代初期の遊女である〔小川、178-180頁。〕〔籠谷、88頁。〕。梅毒の治療中に重体に陥り、医師から解剖のための遺体提供を依頼されて承諾したと伝えられ、日本で最初の献体者(特志解剖)とされる〔〔〔。美幾とその生涯については、渡辺淳一の小説『白き旅立ち』、吉村昭の小説『梅の刺青』などが題材に取り上げている〔 立花 太郎 2013年8月31日閲覧。〕〔江戸東京医学史散歩 その16 医学用語を歩く シソーラス研究会ウェブサイト、2013年8月31日閲覧。〕〔 小野友通、2008-10-10 熊本大学学術リポジトリ、2013年8月31日閲覧。〕。
== 生涯 ==
1836年(天保7年)生まれ〔。駒込追分(現在の東京都文京区向丘中山道日光御成街道の分岐点にあたる)の住人彦四郎の娘といい、名については「美幾女(みきじょ)」、または「ミキ」、「みき」などとも表記される〔〔〔〔。10歳のころから本郷の旧家へ奉公に出ていたが、父が負傷して働けなくなったため遊女になったと伝えられる〔〔。
遊郭での勤めを続けるうちに、美幾は梅毒に罹患した〔〔〔〔。その治療のため、医学校東京大学医学部の前身)の附属病院として設置されていた黴毒院(ばいどくいん)に入院した〔。美幾の病は重く、治療に当たっていた医師からの解剖のための遺体提供を求められた〔。美幾は自らの死期が近いことを悟り、その求めに応じた〔〔横山、158頁。〕。父母と兄が連署の上、美幾の遺言を東京府に届け出た〔。届け出は認容されたが、許可書には「厚ク相弔イ遣ルベキコト」との条件が付加されていた〔。
美幾は1869年(明治2年)8月12日、34歳で死去した〔〔。翌日、下谷和泉町〔文献によっては、「下谷和泉橋通り」とも記述されている。〕にあった医学校の仮小屋で日本初の病死体解剖が実施された〔宝暦4年(1754年)2月7日に、山脇東洋京都の刑場で刑死者の解剖を行って以来、解剖には刑死者の遺体が使われていた。〕〔小川鼎三は『医学の歴史』178頁で、解剖実施日を「8月14日」と記述している。〕〔〔〔〔。医学校は美幾の霊を慰めるため、小石川植物園そばの念速寺(浄土真宗大谷派)で同月16日に葬儀を執り行って手厚く葬り、遺族には金10両が贈られた〔〔〔〔。
美幾の墓は、念速寺(東京都文京区白山2丁目9番11号)の本堂裏、千川通り側の塀ぎわに現存する〔〔〔〔文京区 区指定文化財 文京区役所ウェブサイト、2013年8月30日閲覧。〕。墓石の裏面には、「わが国病屍の始めその志を嘉賞する」と当時の医学校教官が美幾の志を称えた銘が刻まれ、戒名として「釈妙倖信女」が与えられている〔墓石の原文は、「駒込追分販夫彦四郎女名美幾 患徽症属不治 遂入病院乞治 已而病革 遺言解視其体以阪医理 因鳴之官得充焉 寛死年三十四 乃如其言則於其内景 果有大所発明突是為本邦剖検病屍之始 官乃嘉其志賜資葬之礫川念速寺 為誌以伝焉 明治已已秋八月 医学校教官 同主簿記」と漢文で刻まれている。〕〔。この墓は、1974年(昭和49年)11月1日に文京区指定史跡となった〔〔美幾女墓 文京区指定文化財データベース 文京区役所ウェブサイト、2013年8月30日閲覧。〕。墓碑は、保存のために透明なケースで覆われた状態となっている〔〔〔文京区・念速寺 TOKYO TEMPLE GUIDE・東京寺院ガイド、2013年8月30日閲覧。〕。
なお、美幾に続く特志解剖の2人目から4人目までの人々については、翌年の1870年(明治3年)に記録が残されている〔。2月の八丁堀亀島町の「金次郎」、3月の深川大島町の「竹蔵」、10月の小日向水道町の「ムツ」の名があるが、いずれの人にも姓の記録がないため、貧しい階級の出と推定されている〔。これらの人々も丁重に葬られて、遺族には金3両が贈られていた〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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