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美術(びじゅつ)は、テレビ番組や映画(テレビ映画、ビデオ映画)、舞台等のスタッフ、職能である。特に舞台における美術は舞台美術という。 美術は一般に大きく分けて5つの分野に分かれる。日本の場合、元来の撮影所の組織上、戦前は撮影部と呼んだ製作部の下に美術課があり、美術係に美術デザイナーとその助手(美術助手)、装置係に装置の作り手(大道具)がおり、背景係に背景の描き手、装飾係(小道具)に装飾・持ち道具の係がいた〔例: 大映京都撮影所組織図 - 大映京撮スタッフ紹介 、立命館大学、2009年12月12日閲覧。〕。現在では、部門分社化、アウトソーシングが1960年代に進み、装置部、装飾部は子会社、協力会社に委ねられた。 == 美術デザイナー == 美術デザイナー(びじゅつデザイナー)は、日本の映画製作における美術全般のデザインを施す表現者であり、統括的職能である。英語のproduction designerがこれに当たる。美術監督(びじゅつかんとく)とも呼び、英語のart directorがこれに当たる。日本語においては両者の名称に差はない。 装置(セット)のデザインを描いて設計し、ロケーション撮影の場合でも、装置・装飾を行うのでそのデザインを描く。装置部・背景部、あるいは装飾部は、このデザイン画・設計図をもとに装置を組み立て、背景を描き、装飾物を用意、セッティングを行う。美術デザイナー・美術監督は、撮影技師(撮影監督)、照明技師、録音技師、編集技師、スクリプターとともにメインスタッフを構成する。 美術デザイナーが、日本映画において「美術」としてクレジットされるようになったのは、1918年(大正7年)ころの日活向島撮影所での革新映画のムーヴメントによる〔『日本映画発達史 1 活動写真時代』、田中純一郎、中公文庫、1975年11月25日 ISBN 4122002850, p.274-279.〕。美術デザイナーの草分けである亀原嘉明は、1922年(大正11年)、田中栄三監督の『京屋襟店』のセット撮影において、グラスステージいっぱいに呉服店のセットを築いた〔協会の歴史 、日本映画・テレビ美術監督協会、2009年12月12日閲覧。〕。 元来、美術デザイナーは美術課の美術係員であり、現在、映画製作会社映像京都の代表を務める西岡善信や、内藤昭らはかつて大映京都撮影所ではこの美術係に属した〔。 映画・テレビの美術デザイナー、美術監督の職能団体は、1939年(昭和14年)に前身の日本映画美術監督協会が設立された日本映画・テレビ美術監督協会である。 美術助手(びじゅつじょしゅ)は、美術デザイナーの助手である。 == 大道具 == 大道具(おおどうぐ)は、セットを組み立てる職能である。装置(そうち)、そのパートを装置部(そうちぶ)と呼び、セットの背景を描く係は背景(はいけい)、そのパートを背景部(はいけいぶ)と呼ぶ。 パネルと呼ばれるベニヤ板を補強したものに壁紙や着色で一面だけ仕上げた壁を組み合わせて部屋や外壁、コンクリート塀などに見せかける。バラエティ番組やニュース番組の背景。棚やカウンター等造り付けの家具も含まれるが、既成の家具は装飾部が用意する。一般的な大工は、壊れない物を作り上げることに対し、大道具は建て込んだセットの撤収を前提にしていることである。再びパネル等の状態に戻し、他の場所で使ったりする。 元来、日本の撮影所においては、美術課に属する装置係、背景係であった〔。スタッフは、撮影所の社員かそれに準ずる契約スタッフが構成していたが、部門分社化、アウトソーシングが早くから進んだ。現在でも「装置部」「背景部」と呼ぶのは部署名の名残である。東映東京撮影所では、一時、東映美術センターとして分社化していたが、現在は撮影所の組織に美術部として復帰している。 大道具、装置部のうち、スタジオ付ではなく、撮影クルーに属してロケーション撮影にも同行するスタッフを組付(くみづき)と呼ぶ。 === 日本の主な企業 === * 金井大道具 * 東宝舞台 * 俳優座劇場舞台美術事業部 * 東宝映像美術 * 吉田美術 * エス・ピー・ディー明治 * チトセアート * ダダ * つむら工芸 * 大泉美術 * 松下美術背景 - 背景部 == 小道具 == 小道具(こどうぐ)は、家具や雑貨、俳優の携行品(持ち道具)などを用意する職能である。装飾(そうしょく)、そのパートを装飾部(そうしょくぶ)と呼ぶ。 多くの場合、劇中に登場する本やポスター・新聞などの紙媒体や簡単な造形物は「作り物」と呼ばれており、装飾部が製作を担当する。俗にヨゴシ等と呼ばれ、家具や家電、雑貨などで生活感を演出する。腕時計や携帯電話などは持道具(もちどうぐ)、それ以外の小道具を装飾と呼んで区別する。制作会社やスタジオによっては、例えば警官隊の拳銃、ヘルメットは小道具で、ホルスター、ブーツは衣装という特殊なテリトリー分けをしていることもある。衣裳合わせにおいては、衣裳部の用意する衣裳と同時に、配役の持ち道具を用意する。 元来、日本の撮影所においては、美術課に属する装飾係であった〔。スタッフは、撮影所の社員かそれに準ずる契約スタッフが構成していたが、部門分社化、アウトソーシングが早くから進んだ。現在でも「装飾部」と呼ぶのは部署名の名残である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「美術 (職業)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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