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(n) chivalrous thief =========================== ・ 義 : [ぎ] 【名詞】 1. justice 2. righteousness 3. morality 4. honour 5. honor ・ 義賊 : [ぎぞく] (n) chivalrous thief ・ 賊 : [ぞく] 【名詞】 1. rebel 2. insurgent 3. thief 4. burglar
義賊(ぎぞく)とは国家や領主などの権力者からは犯罪人と目され、無法者とされながらも、大衆から支持される個人及びその集団のことである。 ==定義== 盗賊と義賊を分離して定義したのは、イギリスの歴史家エリック・ホブズボームだった。ホブズボームは民衆運動について研究していたため、民衆の間で支持される義賊という存在について考察する必要が生じていた。ホブズボームの1959年の著書、『バンディト』は一般的な盗賊の他に「社会派盗賊」という区分を提示した。社会派盗賊は、ここでいう義賊のことである。ホブズボームは、「義賊」の定義を2点に集約して定めた。 * 権力者からみれば紛れもない犯罪者だが、民衆から「正義」を行ったイメージとされていること。 * 民衆と必ず関わり合いをもっている賊であること。 ホブズボームによれば、この2点を兼ね備えていることが義賊の条件であった。だが、現在では前者のみ当てはまって民衆とまったく関わった実態がない盗賊でも、義賊としてのイメージが固定されていれば義賊と分類されるケースがあり、ホブズボームの定義を「狭義の義賊」とし、1点のみを満たしている場合を「広義の義賊」と分類している研究もある。また、ホブズボームは民衆運動の研究の中で義賊に触れているため、歴史的な義賊の存在意義を「農業から工業へと社会が移行する時代に現れる」「義賊自身はイデオロギーをもたない」「しかし、彼らは民衆の反発や怒りを受けていち早く立ち上がったものであり、民衆運動の先駆者となる」と定義づけたが、これらはイタリアのマフィア研究者、イギリスのロビン・フッド研究者、ラテン・アメリカのバンディド研究者、アフリカの民衆史研究者らから相次ぐ激しい批判を受けたため、定着することはなかった〔南塚(1999: 24)〕。 フランスアナール学派のフェルナン・ブローデルは著作『地中海』において全体的な集団の動きとして、16世紀の盗賊の激増に着目した。研究の結果、盗賊の発生の原因がジャックリーの乱と同じく貧困と過剰人口を背景とすることから、盗賊による強奪行為は領主や権力に対する潜在的な農民暴動であると定義した。ブローデルによれば、強盗行為は既成の国家が抱える公正でない政治に対する復讐であり、その権力側の正義が首尾一貫していないほど、盗賊らの活動は民衆から正義と看做されるものであった。ブローデルの著作では盗賊と義賊を明確に分類していないが、盗賊の中に時として正義を為す一面があること、それを民衆が判断すること、国家が緊張関係にあるほどそれが露になることを指摘している〔南塚(1999: 18)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「義賊」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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