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羽毛恐竜(うもうきょうりゅう)とは羽毛の痕跡が化石記録で確認されている恐竜を指す言葉である。とくに1990年代以降、中国の遼寧省から多数の羽毛恐竜の化石が発見され、鳥類の起原や羽毛の発生に関する議論の中で大きな役割を果たした。 古くは1861年に発見された始祖鳥の化石にはっきりとした羽毛の印象が残されていた。しかし、始祖鳥はあくまでも“鳥”であり、系統的に近い獣脚類が羽毛を生やしていた証拠は長年見つかっていなかった。 1960年代の恐竜ルネッサンス以降、恐竜と鳥の系統関係が再びクローズアップされるようになった。その流れの中で、ロバート・バッカーやグレゴリー・ポールなどの恐竜恒温説を唱える一派は羽毛を生やした恐竜復元図をさかんに描くようになった〔Paul, G. S., 1986. The science and Art of Restoring the Life Appearance of Dinosaurs and Their Relatives; a Rigorous How-to Guide, in ''Dinosaurs Past and Present, vol. II'' Edited by S. J. Czerkas and E. C. Olson, Natural History Museum of Los Angeles County, Los Angeles〕。それでも羽毛の明確な痕跡が残っている恐竜化石の発見は1990年代まで待たなければならなかった。 現在では、羽毛の痕跡が見つかっている恐竜は20属以上にのぼり、そのほとんどが獣脚類である。そして,そのほとんどは中国の遼寧省に分布する熱河層群の義県層から見つかっている。なかでも、シュヴウイアの化石の羽毛の印象部分からは、免疫学テストでβ角質(鳥類の羽毛の主要タンパク質)が検出された〔Schweitzer, Mary Higby, Watt, J.A., Avci, R., Knapp, L., Chiappe, L, Norell, Mark A., Marshall, M. (1999). "Beta-Keratin Specific Immunological reactivity in Feather-like structures of the Cretaceous Alvarezsaurid, ''Shuvuuia deserti'' ''Journal of Experimental Zoology Part B (Mol Dev Evol)'' 285:146-157〕。このように現在では、すくなくとも一部の恐竜が羽毛を生やしていたこと(あるいは羽毛の原型となる体毛をもっていたこと)は化石記録から確実視されている。 ==「羽毛恐竜」という名称== ちなみに「羽毛恐竜」とは特定の分類群を指す厳密な専門用語ではないことに注意が必要である。 例えば、ドロマエオサウルス科の羽毛恐竜は多数見つかっているが(ミクロラプトル、シノルニトサウルスなど)、羽毛の痕跡が見つかっていないデイノニクスを指して羽毛恐竜と呼ぶ事は少ない(もちろん、近縁の種に羽毛の痕跡が見つかっている以上、デイノニクスにも羽毛があった可能性は高い)。同様に、鳥類を指して「羽毛恐竜」と呼ぶこともない。分岐分類学の概念では鳥類もすべて「恐竜」であるため、現生の鳥類はすべて「羽毛恐竜」になってしまい、混乱が生じる。 現在の一般的な認識では、恐竜から鳥類を除いたグループ(いわゆる非鳥類恐竜)のなかで、羽毛の存在が化石で確認される種類を指して「羽毛恐竜」と呼んでいる。あくまでも俗称にすぎない点に注意が必要である。本項目では羽毛が確認されている非鳥類恐竜について記述する。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「羽毛恐竜」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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