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耕雲本(こううんぼん)とは、耕雲(花山院長親)が整えたとされる源氏物語の写本及びそれに由来する本文のことである。 == 概要 == 耕雲本とは、室町時代中期に耕雲(花山院長親)が将軍足利義持に献上した源氏物語の写本およびその写本のために整えた源氏物語の本文のことである。 旧注の一つ『明星抄』は、この「耕雲本」を「青表紙本でもなく河内本でもない」としており、それ以後の注釈書もほぼそのままこの記述を受け継いで来たため、かつてはこの「耕雲本」については「耕雲本」原本とそこからの転写本を一つの系統と考えて青表紙本でもなく河内本でもない耕雲が整えた第三の系統の本文であると考えられていた。そのような伝統的な考え方を受けて池田亀鑑の初期の本文研究の成果をとりまとめた『源氏物語系統論序説』などでは「耕雲本」を「青表紙本」、「河内本」と並ぶ一つの本文系統としてあげられており、これからの源氏物語の本文研究の課題として「できるだけ多くの写本を集め、青表紙本、河内本及び耕雲本の性格を明らかにする必要がある。」等とされていた〔池田亀鑑「源氏物語系統論序説」『岩波講座日本文学 10』岩波書店、1933年(昭和8年)、pp. 12-13。 〕。また青表紙本でも河内本でもないということでこの耕雲本を別本の一つに位置づける見解もあった〔池田亀鑑『源氏物語入門 新版』 社会思想社〈現代教養文庫〉1639、初版1957年(昭和32年)、新版2001年(平成13年)、ISBN 4-390-11639-8、 (オンデマンド版、文元社、2004年(平成16年)) ISBN 4-86145-005-5 〕。しかしながら実際に耕雲本に属するとされる高松宮本等の写本の本文の内容を巻別に青表紙本や河内本と比較してみると、松風の1帖のみが青表紙本系統。宇治十帖の中の橋姫、宿木、東屋、浮舟、蜻蛉、手習、夢浮橋の7帖が別本。他は河内本系統という河内本を主体とした取り合わせ本であることが明らかになった。そのため、現在では耕雲本を青表紙本や河内本と並ぶ一つの本文系統としてあげることはなく、耕雲本に由来する写本は「河内本の中の一系統」かまたは「河内本を主体とする取り合わせ本」として扱われるようになっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「耕雲本」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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