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聖プラクセディス : ミニ英和和英辞書
聖プラクセディス[せいぷらくせでぃす]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ひじり, せい]
  1. (pref) saint 2. st.

聖プラクセディス : ウィキペディア日本語版
聖プラクセディス[せいぷらくせでぃす]

聖プラクセディス』(せいプラクセディス、)は、オランダ黄金時代の画家ヨハネス・フェルメールが1665年ごろに描いたとされる絵画。ただし、フェルメールの真作かどうかについては異論がある〔Jonathan Janson, Essential Vermeer: St Praxedis accessed 12 December 2010〕。17世紀のイタリア人画家フェリーチェ・フィチェレッリ (:en:Felice Ficherelli) の、古代ローマ時代の殉教者とキリスト教の聖人プラクセディス (:en:Praxedes) を描いた絵画の模写だと考えられている。この作品がフェルメールの真作であれば、現存するフェルメールの作品の中で最初期の絵画作品となる〔。
== 構成と来歴 ==
『聖プラクセディス』には、聖人が海綿から絞った殉教者の血を華美な器に注いでいる情景が描かれている。フェリーチェ・フィチェレッリが1640年から1645年に描いた、現在フェラーラのフェルマーニ・コレクションが所蔵する作品と酷似しており、『聖プラクセディス』はこのフィチェレッリの作品からの模写だとされているが、後述のように別の見解も存在する。『聖プラクセディス』とフィチェレッリの作品とのもっとも大きな違いは、胸元の十字架の有無である〔。もし『聖プラクセディス』がフェルメールの真作で、制作年度も1655年ごろであるならば、『マリアとマルタの家のキリスト』や『ディアナとニンフたち』とともに、フェルメールの最初期の作品の一つであり、知られている作品中で唯一、他の画家による作品からの模写ということになる〔〔。ただ、なぜフェルメールが数ある作品の中からイタリアでもあまり名の知られていないこの画家の作品を選んだかは不明である〔千足伸行 「聚美秋題 十一億円のフェルメール」『聚美』Vol.13、聚美社、2014年秋号、pp.4-5、ISBN 978-4-88546-287-0。〕。
20世紀半ば以前の『聖プラクセディス』の来歴はわかっていない。コレクターのヤーコブ・レダーが1943年にニューヨークの小さなオークションハウスで購入したのが最初の記録である。1969年、ニューヨークのメトロポリタン美術館でのフィレンツェ・バロックを主題にした特別展でフェリーチェ・フィチェレッリの作品として展示されていたが、この際にイギリス人美術史家マイケル・キットソン (:en:Michael Kitson) がフェルメールの作品の可能性があると指摘した。所有者のレダーは同年に死去し、『聖プラクセディス』がフェルメールの真作であると信じていた画商スペンサー A.サミュエルズが購入した。その後、バーバラ・ピエセッカ・ジョンソン・コレクション財団が、1987年にスペンサーからこの作品を購入した〔。著名なフェルメール研究者である美術史家アーサー・ウィーロックが、『聖プラクセディス』はフェルメールの真作であると主張し始めたのは1986年からである〔〔。ウィーロックらがキュレーションした2012年のローマでのフェルメール展ではこの作品も展示されたが、2010年にハーグ他を巡回した『若きフェルメール』展では展示作品に含まれなかった。
バーバラ・ピエセッカ・ジョンソン・コレクション財団は『聖プラクセディス』をモナコの訪問会礼拝堂美術館に展示していた。財団オーナーのバーバラ・ピエセッカ・ジョンソンは2013年に死去し、コレクションは競売にかけられるため礼拝堂から2014年に撤去されたが、そのうち『聖プラクセディス』は2014年7月8日に、ロンドンで大手オークションのクリスティーズで競売にかけられた〔Christie's, Saint Praxedis by Johannes Vermeer (press release, Monday 9 June 2014) accessed 10 June 2014〕。落札価格予想は600万ポンドから800万ポンドだったが、結局624万2500ポンド(10億8600万円)で落札され〔謎のフェルメール作品『聖プラクセディス』10億円超で落札 木村正人、2014年7月9日 6時9分、Yahoo!ニュース: 個人〕、売上の一部がバーバラの出身地ポーランド自閉症研究施設の支援にあてられた〔。新たな所有者からこの作品の寄託を受けた日本の国立西洋美術館は、2015年3月17日よりこの作品を常設展示する〔常設展新規展示作品のお知らせ 国立西洋美術館公式サイト、2015.03.13〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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