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胎児の人権(たいじのじんけん、Fetal rights)とは、胎児の法的、倫理的権利。日本の法においても、胎児に権利能力を認める条文に胎児の権利の概念が反映されている。プロライフの文脈でもしばしば言及される。 == 日本の民法・刑法 == 民法において、権利・義務の主体となることの出来る資格である権利能力は通常、出生によって全ての人が取得する(民法1条の3)。胎児は厳密には出生していないので原則として権利能力がない〔内田貴『民法I - 総則・物権総論』90頁 - 92頁(東京大学出版会、1994年、第2版2000年)〕。 しかしながら胎児の父親が交通事故に遭って死亡した場合、もしこの原則をそのまま適用するとすれば、胎児が出生する前に死亡すれば、妻(胎児の母親)が3分の2、父親の両親(健在である場合)が3分の1を相続するが、胎児が出生した後に死亡すれば、妻と生まれたばかりの子が2分の1ずつ相続することになる。僅かな時間の差でこのような問題が発生する事も有り得る不合理を解消するため、民法886条は胎児について相続の場面において生まれたものと看做す事によって権利能力を認めている〔。 民法721条においては、損害賠償請求権についての権利能力も認められている〔。また胎児に遺贈する事は民法965条で認められている〔鎌野邦樹『現代民法学』17頁、成文堂、初版2000年 ISBN 9784792323714〕。 刑法においていつ胎児が人となるのかについては議論が分かれているが、一部露出説が通説となっている。母体から胎児が一部でも露出すれば人になったと考えられている。胎児が一部でも露出していれば、胎児だけに向かって攻撃を加える事が可能になるため、保護すべき必要性が出て来るとされるためである〔伊藤真『伊藤真の刑法入門』136頁、日本評論社、2002年初版 ISBN 9784535510913〕。従って妊婦を殺害した結果胎内に居る胎児が死亡したといった事例においては、胎児については殺人罪(刑法199条)は非適用の可能性が高い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「胎児の人権」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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