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胸甲騎兵(きょうこうきへい、、)は、近世ヨーロッパにおける騎兵の区分の一つで、重騎兵の一種である。または、騎兵科の兵職の一つである。 == 歴史 == === 近世 === 15世紀以降の火器の普及やパイク槍兵の出現により、それまでヨーロッパの軍隊の主力であった騎士と呼ばれる槍騎兵は、その重要性を急速に失うこととなった。これに代わって登場したのが、火器で武装した新しい様式の騎兵である。 1618年、三十年戦争開始当時の西ヨーロッパの騎兵は、乗馬歩兵たる竜騎兵を除いて大きく二つのタイプ胸甲騎兵と火縄銃騎兵とに分類できた。〔リチャード=ブレジンスキー 著「グスタヴ・アドルフの騎兵―北方の獅子と三十年戦争 」(オスプレイ・メンアットアームズ・シリーズ) 〕 ;胸甲騎兵:胸甲()と呼ばれる頭から膝下までを覆う重い甲冑を身につけ、二挺のピストルで武装した重騎兵。没落した騎士の後継である。 ;火縄銃騎兵(Harquebusier):胸甲騎兵を支援する為に用いられた、より軽装の騎兵。使用する火縄銃により様々な名前で呼ばれていた。カービン騎兵と区別されることもあるが、両者は大変よく似ている。 17世紀に入ると甲冑を身に着けた騎兵は姿を消し、より軽装の騎兵が主流となる。三十年戦争においてのスウェーデン軍の主力は、鎧を鉄兜と背当て・胸当てのみに軽量化し、重い騎兵用小銃の代わりに拳銃で武装した軽装騎兵であった。これを攻撃騎兵(用法としての重騎兵のこと)として戦争を勝ち抜くと、各国もこぞってこれに倣った。敵に至近距離まで接近し、拳銃の火力を最大限引き出すスウェーデン軍の騎兵の前では、胸甲騎兵の重い甲冑も役には立たなかったのである。スウェーデン軍はさらに徹底して、最低限の鎧と拳銃すら廃し、皮革製コートとサーベルのみを装備し抜刀突撃のみを行った騎兵も存在した。 近代軍隊の父として知られる太陽王ルイ14世は、このスウェーデン式の騎兵をさらに発展させ、従来の重騎兵(ここでは後述の半甲冑を身に着けた胸甲騎兵を指す)を廃止し近代的な騎兵隊を創設した。以降ヨーロッパ各国でもフランス式の近代軍隊が組織されてゆき、胸甲騎兵の胸甲も、以前の半甲冑から、より簡素な背当てと胸当てだけの鎧の名称に変化していった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「胸甲騎兵」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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