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脱中心的位置性 : ミニ英和和英辞書
脱中心的位置性[だつちゅうしんてきいちせい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [なか]
 【名詞】 1. inside 2. middle 3. among 
中心 : [ちゅうしん]
 【名詞】 1. (1) center 2. centre 3. middle 4. heart 5. pivot 6. emphasis 7. balance 8. (2) core 9. focus 
中心的 : [ちゅうしんてき]
 (adj-na) central
: [こころ, しん]
 【名詞】 1. core 2. heart 3. wick 4. marrow 
心的 : [しんてき]
  1. (adj-na,n) mental 2. psychological 3. physical
: [まと, てき]
 【名詞】 1. mark 2. target 
: [くらい]
  1. (n,n-adv,suf,vs) grade 2. rank 3. court order 4. dignity 5. nobility 6. situation 7. throne 8. crown 9. occupying a position 10. about 1 1. almost 12. as 13. rather 14. at least 15. enough to 1
位置 : [いち]
  1. (n,vs) place 2. situation 3. position 4. location 

脱中心的位置性 : ウィキペディア日本語版
脱中心的位置性[だつちゅうしんてきいちせい]
脱中心的位置性(exzentrische Positionalität)は、ドイツの哲学者ヘルムート・プレスナーが提唱した概念である。脱中心性(Exzentrizität)とも呼ばれる。1928年に発表された『有機物の諸段階と人間―哲学的人間学入門』の中核をなす考えである。
プレスナーは、生命あるものは自らを取り巻く環境に境界(Grenze)をもって対峙し、自ら境界を引くことを通して外界と不断の交渉を行う考えた。この生物と自然環境との相互関係を、無生物のそれと対比して際立たせ、生物が環境領野に対して取る位置性・位置形式(Positionalität)から説明しようとする。こうした発想は、特にヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱した生物学の概念「環境世界」にヒントを得ている。さらにプレスナーは、生命をさまざまな階層に分け、それぞれに特有な位置形式の観点から、植物・動物と人間との本質的差異に迫ろうとする。
プレスナーによれば、人間が環境世界に対してとる位置性は脱中心性である。動物はおのれのうちに意識と中心を有し、環境世界の事象に独自の行動図式をもって対処することができる。ただし、人間以外の動物は<今・ここ>という時間的・空間的制約のうちに埋没し、これらと事物とを真に対象化することはできない。一方、人間はこの閉鎖性・中心性(Zentralität)を有するが、同時におのれの中心から離脱し、<今・ここ>に対して距離を取り、これらを対象化ことができる。プレスナーのことばに言い換えれば、人間は「消失点」または「眺望点」を自らの背後に持つ。結果として人間は、自我を有し意識主体として行動することのみならず、自らを客体化他我の存在を認識することも可能になる。これは、他者の視点期待を予測し、これらを自分の行為に反映することにもつながる。この考えに従えば、脱中心的位置性は人間に特有の社会形式(プレスナー自身は共同世界と呼んでいる)の根幹を成すものともいえる。
<今・ここ>による束縛を免れた人間は、動物に保障された「自然」と本能的な安定性を失い、そのため自らの手で進路を切り開かねばならない。道具を用いて文化を創造する必要に迫られ、「自然的技巧性」(natürliche Künstlichkeit)と「媒介された無媒介性」(vermittelte Unmittelbarkeit)によっておのれを表出することになる。このことが歴史を残す行為につながる、とプレスナーは説明する。人間は、世界の内に自らの本来の場所を持たない「ユートピア的立ち位置」(utopischer Standort)のために、世界根拠または神への信仰という宗教的次元によって「自然」へと還帰せざるをえない。これらが、プレスナーの人間論の骨格をなす見解である。
なお、人間が持つ脱中心的位置性が何に起因するのかという問いには、プレスナーは答えを出していない。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「脱中心的位置性」の詳細全文を読む




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